Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般口演
頭頸部

(S699)

IgG4関連疾患における顎下腺の超音波検査及びガイド下生検の検討

The efficacy of the ultrasonography guided biopsy for diagnosing IgG4-related disease

石坂 幸雄1, 本田 茉也1, 吉原 桂一1, 奥村 明1, 中谷 航也1, 藤原 俊孝1, 中下 悟1, 天羽 賢樹1, 能登原 憲司2, 小山 貴1

Yukio ISHISAKA1, Maya HONDA1, Keiichi YOSHIHARA1, Akira OKUMURA1, Koya NAKATANI1, Toshitaka FUJIWARA1, Satoru NAKASHITA1, Yoshiki AMO1, Kenji NOTOHARA2, Takashi KOYAMA1

1倉敷中央病院放射線診断科, 2倉敷中央病院病理診断科

1Diagnostic Radiology, Kurashiki Central Hospital, 2Diagnostic Pathology, Kurashiki Central Hospital

キーワード :

【目的】
IgG4関連疾患では膵,後腹膜に病変を形成することが多いが,これらの深部病変は手技的に生検が困難なことが多く,診断に苦慮する場合がある.一方,IgG4関連の顎下腺病変では網目状高エコーおよび結節状低エコーといった特徴的な超音波所見を呈することが知られる.IgG4関連疾患における顎下腺の超音波検査の特徴とガイド下生検での診断の有用性を検討した.
【対象と方法】
当院で2015年1月〜11月までに臨床的にIgG4関連疾患が疑われ,顎下腺生検が施行された12例(男性8名,女性4名)である.年齢は47〜78歳(平均65)であった.主訴は顎下部腫脹2例,眼瞼腫大1例,黄疸2例,呼吸苦2例,発熱・全身リンパ節腫大1例,腹部違和感1例,咳嗽1例,無症候性膵腫大2例であった.血清IgG4値は34〜1740mg/dl(平均647)で,2例は基準値内(105mg/dl未満)であった.全例でCTまたはPET-CTによる全身のスクリーニングが施行され,顎下腺8例,涙腺5例,耳下腺4例,舌下腺2例,膵9例,胆管2例,腎2例,後腹膜3例,前立腺3例,肺4例,リンパ節腫大8例の異常が指摘された.事前に膵生検2例,鼡径リンパ節生検2例,胆管擦過細胞診1例,外科的顎下腺生検1例が施行されたが,いずれも診断が確立されなかった.診断装置はARIETTA70(HITACH ALOKA)で高周波リニアプローブを使用した.生検は18G穿刺針を用いて2本以上の検体を採取した.
【結果】
顎下腺腫大を認めたものは12例中7例であった.12例全例に顎下腺に何らかの異常所見(網目状高エコー9例,多数の結節状低エコー1例,微小な斑状低エコー2例)が認められた.組織診にて12例中10例がIgG4関連疾患と診断され,これらは網目状高エコーおよび多数の結節状低エコーを呈した症例に相当した.うち3例では顎下腺の腫大はなく,1例はIgG4値が基準値内であった.微小な斑状低エコーを呈した2例はいずれも特異的な診断が得られなかった.合併症は唾液内への少量出血が2例でみられた.
【考察】
IgG4関連硬化性顎下腺炎に超音波でみられる網目状高エコー,多数の結節状低エコーはそれぞれにおける線維化と炎症細胞浸潤を反映した所見と考えられる.これらの所見がみられる場合には顎下腺の腫大が認められなくとも超音波ガイド下生検によりIgG4関連疾患の診断が確立される可能性が高いと考えられる.
【結論】
臨床的にIgG4関連疾患が疑われる症例では顎下腺に特徴的な超音波所見が得られた場合には,顎下腺生検が診断の確立に有用と思われる.