Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般口演
消化器 肝腫瘍:治療①

(S645)

尾状葉肝細胞癌に対するEUSガイド下エタノール注入療法の安全性と有効性の検討

Clinical outcomes of endoscopic ultrasound-guided ethanol injection for hepatocellular carcinoma in the caudate lobe

中路 聡1, 平田 信人1, 三方 林太郎2, 露口 利夫2, 山口 武人3, 横須賀 収2

So NAKAJI1, Nobuto HIRATA1, Rintaro MIKATA2, Toshio TSUYUGUCHI2, Taketo YAMAGUCHI3, Osamu YOKOSUKA2

1亀田総合病院消化器内科, 2千葉大学医学部附属病院消化器内科, 3千葉県がんセンター消化器内科

1Gastroenterology, Kameda Medical Center, 2Gastroenterology and Nephrology, Graduate School of Medicine, Chiba University, 3Gastroenterology, Chiba Cancer Center

キーワード :

【背景】
肝硬変併存肝細胞癌に対する穿刺局所療法は肝機能を温存した非切除治療として確立されている.しかし,尾状葉に存在する場合は経皮的アプローチが困難である.われわれはそのような症例に対し超音波内視鏡ガイド下エタノール注入療法(EUS-EI)を施行しており,その有用性および安全性を評価するために前向きに症例を蓄積した.
【対象】
適応は3cm以内・3個以内で肝障害度がAまたはBの症例.
【方法】
コンベックス型超音波内視鏡で径消化管的に肝細胞癌を同定した.穿刺ルートに脈管の介在がないことを確認し穿刺後エタノールを注入した.最大1回注入量は10mL,施行回数は週に2回を上限とした.効果判定は3ヵ月毎の画像検査で評価を行った.偶発症は7日以内に発症したものを早期,8日以降を後期とした.
【結果】
症例は12例.平均観察期間は31ヵ月.肝障害度はAが11例,Bが1例.5例が他治療後局所再発で7例が新出病変であった.平均腫瘍長径は17mm.平均総注入量は17.1mL,平均1回注入量は8.9mL,平均施行回数は1.7回であった.偶発症は早期偶発症として発熱を2例に認めた.局所治療効果は2例で局所再発を認め,1年後後局所制御率は80.2%と良好であった.再発例に対しては1例では再度EUS-EIを施行し,もう1例では経皮的RFAを施行した.一方,生存期間に関しては1年91.7%,2年75.0%,3年53.3%であった.
【結論】
尾状葉肝細胞癌に対する局所治療としてEUS-EIは有効かつ安全であり,侵襲性および簡便性の点から従来行われてきた開腹または鏡視下穿刺局所治療に取って代わる可能性のある治療法と考えられる.