Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.677(2017年)→0.966(2018年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般口演
消化器 その他:症例

(S625)

当院で経験した原発性小腸癌3例超音波像の検討

Study of primary small intestine cancer three cases ultrasound images in our hospital

手嶋 敏裕1, 吉村 大輔2, 山口 美乃里1, 宮地 由美子1, 宇治川 好枝1, 横田 真弓1, 永松 諒介2, 岩尾 梨沙2, 落合 利彰2

Toshihiro TESHIMA1, Daisuke YOSHIMURA2, Minori YAMAGUCHI1, Yumiko MIYACHI1, Yoshie UJIKAWA1, Mayumi YOKOTA1, Ryousuke NAGAMATSU2, Risa IWAO2, Toshiaki OCHIAI2

1済生会福岡総合病院検査部, 2済生会福岡総合病院内科

1Clinical Laboratory Department, Saiseikai Hukuoka General Hospital, 2Internal Medicine, Saiseikai Hukuoka General Hospital

キーワード :

原発性小腸癌は稀な消化管悪性腫瘍で,特異的症状にも乏しく進行癌で発見されることが多い.このたび我々は,ほぼ1年間の間に3例の原発性小腸癌を経験したので超音波画像について検討し報告する.
【症例1】
50代女性,腹痛を主訴にCTで上部空腸に限局性壁肥厚が疑われ超音波検査(以降US)が依頼された.
【症例2】
80代男性,腸閉塞を契機にCTで回腸終末に造影剤にて増強される腫瘤影あり,USが依頼された.
【症例3】
40代女性,貧血の精査のため施行されたCTで骨盤内に不整な腫瘤性病変を認め,USが依頼された.
共通の特徴としてCTで疑われ,ドプラを含めたUSでの質的診断が求められた.なお全症例が手術により全周性のBorrmann2型に相当する小腸癌と最終診断された.
超音波画像の特徴として,全ての症例において
「限局性の壁肥厚」「壁の層構造不明瞭」「壁は硬い印象」「ドプラにて流入血」を認めた.
小腸壁肥厚での鑑別診断として悪性リンパ腫やGIST等があり,悪性リンパ腫は,びまん性の壁肥厚像を呈する事が多い.また壁には伸展性があり柔らかい印象である.壁の硬さ,つまり内容物やガスが,限局した肥厚壁をよけて通過する像が鑑別点となる.GISTについては壁の層構造を詳細に確認することで鑑別は可能である.血流に関しては悪性リンパ腫も血流を豊富に認める事が多く,限局した壁肥厚部位に流入する血流の確認が鑑別につながると思われた.
描出上の工夫として
最大に拡張した腸管を探し,その付近に狭窄原因を探し当て,腸管壁構造を精査する.
プローベを押し当てたまま,しばらく保つと腸管蠕動により消化管ガスが避ける事があり,時間が無い中でも緩徐の走査も重要である.
【結語】
超音波検査はCTに比し透過性が弱く,対象となる全てを描出出来ない事が多い.また組織分解能はほぼ無く,対象物領域を誤ることもある.しかし時間的空間分解能に長けるので,今回の様にCTにて捉えた病変の質的診断にも有用である.