Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般口演
消化器 肝線維化③

(S616)

Virtual Touch Quantification(VTQ)による肝硬度測定の検討

Evaluation of liver stiffness measurement by Virtual Touch Quantification(phantom and normal liver study)

斎藤 聡1, 伝法 秀幸2, 窪田 幸一2

Satoshi SAITOH1, Hideyuki DENPO2, Koichi KUBOTA2

1虎の門病院肝臓センター, 2虎の門病院分院臨床検査部

1Department of Hepatology, Toranomon Hospital, 2Department of Clinical Laboratory, Toranomon Hospital Kajigaya

キーワード :

【目的】
Virtual Touch Quantification(VTQ)はTransient Elastography(TE)と並ぶエラストグラフィーとされ,肝硬度測定として広く用いられている.しかしながら,TEのような細かな測定方法が明らかにされていない.また,正常肝の肝硬度,基準値もあきらかでは無い.そこで,ファントムによる測定とそれに伴う適切な測定方法と正常肝の肝硬度に関して検討した.
【対象と方法】
VTQは超音波診断装置としてS3000(シーメンス社製)を,プローブは4C1 ver2.0を使用した.Push pulse周波数2.7MHz,持続時間200〜300μs,Detect周波数3MHz ROI 6x10cm最大深度8.5cm,Vs rangeは0.5〜4.4m/sである.ファントムはSHEAR WAVE LIVER PHANTOMを使用し,その硬度は3kPa,12kPa,27kPaである.プローブは垂直保持し,ROIの角度は垂直から左右8度まで,深度は2cm,3cm,4cmとした.また,正常肝は407例,肝表面より深度2cm付近をROIの中心とし,右肋間より,肋間壁と垂直にプローブを固定し,全体で良好なBモード画像が描出されている部位にて,呼吸停止にて5回計測し,中央値を採用し,Vs値として採用した.一方,TEはフィブロスキャン502で,Mプローブを併用し,規定の方法で全例同時測定を施行した.
【成績】
1.ファントムによる検討:各3回ずつ計9ポイントで計測したところ,3kPa,12kPa,27kPaのVs値(m/s)はそれぞれ,0.88±0.02,1.74±0.04,2.91±0.08,IQR/medが4.0,2.6,4.6であった.ROIの角度は左右8度まで,深度は2cm,3cm,4cmでは数値は不変であった.TE(m/s)はそれぞれ,0.77±0.02,1.63±0.02,2.66±0.04,IQR/medが0,1.2,0.2であった.両者ともに安定した硬度を示していた.2.正常肝の肝硬度:正常肝はHBs抗原陰性,HCV抗体陰性,飲酒量は20g/day以下,BMIは25未満,AST・ALTが正常値,肝疾患既往なしを満たすものとしたところ,基準値としては,Vs値は中央値1.11m/s,95%タイル0.88-1.30m/sであった.一方,TEの肝硬度は中央値3.5kPa,95%タイル2.4-4.9kPaであった.基準値の上限はVTQでは1.30m/sであり,対応するTEでは4.9kPaであった.皮下厚は全例で2cm以下であった.
【結語】
VTQは測定法を一定にすると,ファントムおよび正常肝における肝硬度の基準値は設定でき,その値はTEとほぼ同等であった.