Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.677(2017年)→0.966(2018年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

一度このページでloginされますと,Springerサイト
にて英文誌のFull textを閲覧することができます.

cover

2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般口演
循環器 他臓器疾患と心機能

(S606)

くも膜下出血患者に発生するQT延長と心筋ストレインの関係

Association between Long QT and Myocardial Strain in Patients with Subarachnoid Hemorrhage

高橋 礼子1, 杉本 恵子2, 中村 和広1, 築島 まり恵1, 荒川 理加1, 山田 晶3, 稲桝 丈司4, 石川 隆志1, 石井 潤一1

Ayako TAKAHASHI1, Keiko SUGIMOTO2, Kazuhiro NAKAMURA1, Marie TSUKIJIMA1, Rika ARAKAWA1, Akira YAMADA3, Jouji INAMASU4, Takashi ISHIKAWA1, Junichi ISHII1

1藤田保健衛生大学病院臨床検査部, 2藤田保健衛生大学医療科学部, 3藤田保健衛生大学医学部循環器内科, 4藤田保健衛生大学医学部脳神経外科

1Clinical Laboratory, Fujita Health University Hospital, 2School of Health Sciences, Fujita Health University, 3School of Medicine Department of Caldiology, Fujita Health University, 4School of Medicine Department of Neurosurgery, Fujita Health University

キーワード :

【背景・目的】
くも膜下出血(SAH)急性期にはしばしば心電図異常やたこつぼ様心筋症(TC)をはじめとした左室壁運動異常(WMA),肺水腫の合併が知られている.心電図異常の中でも特にQT延長の所見は高頻度で観察される.しかし,QT延長とWMAの関係は検討されておらず詳細は不明である.近年,心エコー図検査における新技術として2Dスペックルトラッキング法による心筋ストレイン解析が臨床応用され,従来主観的な評価のみであった壁運動の定量化や時間経過の解析が可能となった.そこで,SAHにおけるQT時間とWMAの関係を,2Dスペックルトラッキング法を用い検討することを目的とした.
【対象】
2011年1月〜2014年3月に当大学病院救命救急センターに入院した発症48時間以内のSAH患者のうち,入院時に解析可能な心エコー画像が得られ,かつ目視により壁運動が正常であった連続53症例(女性32例,平均年齢:61.8±13.9歳)を対象とした.
【方法】
Bazettの式(QTc=QT時間/(RR間隔)1/2)から求めたQTcにより,二群に分類(QTc<0.45:QT正常群,QTc≧0.45:QT延長群)し検討した.心エコー図検査(GE社製VividE9)は,画像をEchoPAC PC(GE社製)に取り込み,心尖部四腔断面の基部・中部・心尖部のLongitudinal strain値およびpost-systolic shortening(PSS)を計測した.なおPSSはRR間隔で補正した(補正PSS).
【結果】
補正PSSの結果を表に示す.
①補正PSSにおいてSp-Mid,Sp-Apex,L-Mid,L-Apexで二群間に有意差が認められた.②各部位において補正PSSとQTcの間に相関関係は認められなかった.③Longitudinalピークストレイン値はL-Midとグローバルでのみ有意差が認められ,他の部位での有意差は認められなかった.
【考察】
QT時間とWMAの関係を解析した今回の検討では,QTcは各部位における収縮のばらつきや収縮ピークのズレを反映しているが,各部位の収縮力とは関係がなかった.また,補正PSSにて有意差が認められた部位は,基部壁運動正常かつ心尖部無収縮というTCの形態異常出現部位と同部位であった.QT延長の所見は,その時点での壁運動が正常であっても,TCを合併する前段階や合併の危険性を捉えている可能性がある.