英文誌(2004-)
一般口演
工学基礎 超音波計測システム
(S550)
柔軟性超音波探触子の開発と医用超音波への応用
Development of Flexible Ultrasonic Probe and Application for Medical Ultrasound
田中 雄介, 星野 秀和, 平野 大輔, 酒井 玲, 岩田 典朗, 小倉 幸夫
Yuusuke TANAKA, Hidekazu HOSHINO, Daisuke HIRANO, Akira SAKAI, Yoshiaki IWATA, Yukio OGURA
ジャパンプローブ株式会社研究開発センター
Research and Development Center, Japan Probe Co., Ltd.
キーワード :
【目的】
乳癌検査はマンモグラフィが実施されているが,乳腺量の多い若年層ではX線により乳腺が検出されてしまい乳癌の検出が困難である.そのため,若年層の乳癌検査では超音波による検査が有効視されている.乳癌を計測するために曲面から観測ができるか,散乱が大きく組織が多層構造を持った人体を画像化できるかという問題がある.本報告では曲面からの観測と人体の構造を画像化できるか確かめることを目的とする.
【対象】
今回は乳腺ファントム,血管ファントムを用いて曲面からの観測と人体の多層構造を画像化する.最終的な対象としては頸部,腕部,乳腺など曲面部位を観測する.
【方法】
対象物の形状に合わせて変形可能な柔軟性超音波探触子,フレキシブルアレイプローブを開発し,曲面からの観測を行う.曲面からの観測を確かめるため,図のように乳腺ファントムを用いた.また,人体の多層構造を確かめるため,血管ファントムを用いて画像化を行った.ヒト組織の画像化を確かめるため,腕部の観測を行った.
【結果】
乳腺ファントムをフレキシブルアレイプローブにより画像化を行い,模擬腫瘍の断面画像を取得した.また,血管ファントムも同様に断面画像を取得した.腕部の曲面からの観測においても断面画像を取得できた.
【結論】
フレキシブルアレイプローブを用いて曲面から観測を行うことができた.したがって,腕部や頸部,乳腺などの曲面において対象の形状に合わせてプローブを変形させることで様々な部分の観測を行うことが可能である.