Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

特別プログラム 運動器
パネルディスカッション 運動器(一部英語) 知っとく(得)! 救急現場における運動器超音波

(S495)

エコーで皮下組織を極める

Mastering the subcutaneous tissue using ultrasound sonography

高橋 周

Shu TAKAHASHI

東あおば整形外科整形外科

Orthopedic Surgery, East Aoba Orthopedics Clinic

キーワード :

皮下組織は,皮膚の3層構造のうちもっとも内側にある組織で,表皮と真皮を支えている.皮下組織は大部分が皮下脂肪で構成され,その他には膠原線維,弾性線維から成り,血管・神経が多様に貫走し,汗腺と終末神経小体が存在する.近年皮下脂肪の研究が進み,皮下脂肪筋膜組織は2層で構成され,表面層は,脂肪小葉が粒状で互いにtightに結合し,外力から保護する働きがあり,protective adipofascial system(PAFS)と呼ばれる.深い層は脂肪小葉が扁平状で互いにlooseに結合し,筋骨格の動きを潤滑するため,lubricant adipofascial sysytem(LAFS)と呼ばれる.(Nakajima H etal. 2004)
また,事故や災害によって生体内に異物が迷入することは少なくない.異物の種類や侵入機転は様々で,時に術前診断および異物の摘出に難渋することが多い.異物の診断方法としてはX線,CT,MRI,エコーなどが挙げられる.金属製異物はX線で診断可能だが,有機物等はエコーが診断に有用である.また,異物の摘出には他の画像診断装置よりもエコーが有用である.実際の症例を供覧する.