Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

特別プログラム 血管
パネルディスカッション 血管 1 下肢静脈エコーの現状と課題-診断から治療まで-

(S467)

下肢静脈エコーを活用したDVT診療

Leg venous ultrasonography utilized for DVT management

山田 典一

Norikazu YAMADA

三重大学大学院循環器・腎臓内科学

Department of Cardiology and Nephrology, Mie University Graduate School of Medicine

キーワード :

深部静脈血栓症(DVT)は急性期には下肢の腫脹や疼痛といった症状で発症するとともに,急性肺血栓塞栓症のリスクを有しており,早期に診断し適切な治療を開始することが求められる.また,早期から適切な治療が施されなければ,慢性期にも静脈弁不全に伴う血栓後症候群や静脈血栓塞栓症の再発のリスクの増加をもたらすことになる.DVTの確定診断法として,最も汎用されているのが下肢静脈エコーであり,静脈血栓の有無のみならず,血栓部位,血栓形態(閉塞型,浮遊型),血栓の新旧など多くの情報が非侵襲的に短時間で得られる有用な検査である.
三重大学では下肢静脈エコーはDVT診断だけでなく,DVTに対する治療法の選択にも活用しており,腸骨大腿静脈DVTでは発症からの時間と出血のリスクとともに,静脈エコーでの血栓周囲の血流の有無を参考にして,抗凝固療法単独で治療を行うか,カテーテル血栓溶解療法(CDT)で積極的な血栓溶解を図るかを決めている.さらに近位側DVTでは静脈エコーにて血栓形態が浮遊型か閉塞型かによって,入院して安静加療が必要か,あるいは外来治療可能かの判定にも利用している.また,下腿限局型DVTについては抗凝固療法の適応となる症例は限られており,無治療でフォローする場合には2週間前後で下肢静脈エコーでの血栓進展の有無を評価している.第9版ACCPガイドラインでの推奨どおり,2週間後のエコーで血栓進展のない場合にはその後も治療を行っていない.
こうした三重大学でのDVT診療における下肢静脈エコーの活用法について報告する.