Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.677(2017年)→0.966(2018年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

特別プログラム 甲状腺
シンポジウム 甲状腺(JSUM・JABTS共同企画) 新しい甲状腺結節超音波診断基準を巡って

(S424)

諸外国の甲状腺結節ガイドライン

Management guidelines for Thyroid nodules of other countries

國井 葉

Yo KUNII

伊藤病院内科

Internal Medicine, Ito Hospital

キーワード :

【はじめに】
超音波検査を行うことにより,一般人口の20-67%に甲状腺結節が認められる.頻度の高い疾患であるため,その取り扱いガイドラインが我が国も含め,諸外国より出されている.私の方からは,2010年にThe thyroid study group of the Korean society of thyroid radiology(TSGKSR)から出されたガイドラインと2006年にAmerican Association of Clinical Endocrinologists, Associazion Medici Endocrinologi, and European Thyroid Association(AACE/AME/ETA)の3つの団体が合同で出したガイドラインを紹介したいと思う.
甲状腺超音波を行う対象
基本的に両ガイドラインとも一般人口に対してのスクリーニングは勧めていない.触診で結節を触知した場合,甲状腺超音波検査の対象となっている.ただし,甲状腺癌の家族歴のある人やMEN,小児期の頭頚部への被爆歴がある人は,結節が触知しなくとも甲状腺超音波検査の施行を推奨している.
超音波で認められた甲状腺結節の評価
AACE/AME/ETAのガイドラインでは,あまり詳しく超音波での結節の評価を記載していない.悪性を疑う所見として,低エコー結節,境界不整,縦横比,微細高エコーや腫瘍内血流を上げている.
それに対してTSGKSRのガイドラインでは,結節の充実性,嚢胞性についての分類・定義も細かく記載されている.さらに,腫瘍の計測に方法,増大や縮小の定義もされている.
悪性を評価するポイントとして,腫瘍の形状,腫瘍の周辺,内部エコー,石灰化の有無,腫瘍外への浸潤の有無を段落に分け細かく解説されている.また,エコーテクスチャ−やハローの有無は良性と悪性を鑑別するのに,決まった見解がないとしている.
腫瘍の血流評価とエラストグラフィ
AACE/AME/ETAのガイドラインには血流評価の記載はなく,TSGKSRのガイドラインではRoutineでの使用は推奨していない.
また,エラストグラフィは両ガイドラインともRoutineでの使用は推奨していない.
穿刺吸引細胞診(FNA)
発表時には両ガイドラインのフローチャートを提示し解説をしたい.
TSGKSRのガイドラインでは,サイズに限らず悪性を疑わせる所見があればFNAの適応としている.また5mmより大きな腫瘍に関してFNAの適応であるが,5mmより小さい場合は患者さんのリスクファクターや術者の経験により必要ならばFNA施行するとされている.1cm〜2cmの超音波で良性結節のものは経過観察,2cm以上ならばFNA.
また,FNAの再検にも記載があり,1cm以上の腫瘍の場合で悪性所見を超音波で認めるなら,6-12ヶ月後にFNAを再検,超音波で悪性所見がないがFNAで良性と診断がつかなかった腫瘍は1-1.5年後にFNAの再検を推奨している.
AACE/AME/ETAのガイドラインでは,大きくは1cmでFNA施行を区切っているが,この限りではない.被膜浸潤やリンパ節転移,小児期の頭頸部への被爆,一親等に甲状腺癌の既往のある人などは,サイズに限らずFNAを推奨している.ユニークな点は,シンチグラフィーでホットアップテイクな結節は,FNAを施行しないよう勧めている.
フォローアップ
TSGKSRのガイドラインでは,Spongiformの画像で1cm以下の腫瘍はFNAもFollow upも不要とある.超音波で良性所見に関しては,1cm以上の結節に関しては3-4年ごとの超音波検査を勧めている.
【おわりに】
JSUMから出されている甲状腺結節の超音波ガイドラインは良性所見と悪性所見が表化されており大変わかりやすいことがわかった.TSGKSRのガイドラインはフォローアップに期間が記載されている点が,AACE/AME/ETAのガイドラインでは細かい手技の注意点が記載されている点が,今後参考にできるところかと思われた.