Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

特別プログラム 乳腺
パネルディスカッション 乳腺 2(JSUM・JABTS共同企画) 乳房超音波検査は病理組織診断にどこまで迫れるか

(S413)

乳腺腫瘤の内部エコーで病理像に迫る

Pathological finding in Internal echo in breast cancers

森田 孝子

Takako MORITA

名古屋医療センター乳腺科

Department of Semology, Nagoya Medical Center

キーワード :

乳腺超音波診断において,装置の進歩により,B-モードの解像度,コントラストが格段に向上している.乳腺腫瘍の内部エコーにおいて,今までに認識してこなかった像を結ぶようになっているが,内部エコーの用語として,「均一」,「不均一」としてしか表現できないことによる制限があると感じる.
【目的】
Bモード内部エコーの詳細な所見を読むことにより,病理像にさらに迫れるか,検討する.また,浸潤癌,非浸潤癌の診断が可能か.
【対象】
2011年〜2013年までに当院で手術された15mm以下の浸潤癌23例(平均年齢 55例,平均腫瘤径10mm)と腫瘤形成性の非浸潤癌2例(平均年齢51歳 平均腫瘤径7.5mm).B-モード画像,ドプラ所見,エラストグラフィ所見を病理像と対比し検討した.
【結果】
内部エコーに着目すると,浸潤癌内部の流れのある低エコーは,間質変化をみていた.500μmの以下の低エコーの小スポットを認めることがあるが,浸潤胞巣あるいは,非浸潤部の篩状の部位を見ていることが判明した.
【考察】
小さな浸潤癌は,浸潤がはじまってから時間がたってないと考えられるが,さまざまな内部エコーを呈した.病理学的に細胞の多寡,間質との混在のしかたにより,変化するが,今回の検討で,浸潤巣の細胞成分が多い部位のがん胞巣の在り方や,非浸潤癌の構造が判明する可能性が示唆された.