Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

一度このページでloginされますと,Springerサイト
にて英文誌のFull textを閲覧することができます.

cover

2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

特別プログラム 産婦人科
パネルディスカッション 産婦人科 子宮を診る—超音波検査の可能性と限界—

(S384)

3D超音波による子宮疾患の診断

3D ultrasound in the assessment of uterine tumors

金西 賢治, 山本 健太, 石橋 めぐみ, 田中 圭紀, 新田 絵美子, 秦 利之

Kenji KANENISHI, Kenta YAMAMOTO, Megumi ISHIBASHI, Tamaki TANAKA, Emiko NITTA, Toshiyuki HATA

香川大学医学部母子科学講座周産期学婦人科学周産期学女性診療科

Department of Perinatology and Gynecology, Kagawa University Hospital

キーワード :

子宮疾患における超音波検査は,従来の2D超音波を中心に,子宮奇形,子宮内膜ポリープ,子宮筋腫や子宮腺筋症に対して主に婦人科検診として一般的に行なわれてきた.最近の超音波技術の進歩により3D超音波としてHDliveやHDlive silhouette modeおよびHDlive Flowなどの画像構築が可能となり,産科領域や婦人科疾患への応用が期待されている1).HDliveは任意の位置から仮想光源を当てることで陰影をつけ,肉眼所見に近い画像を描出する技術である.HDlive Flowは,HDliveのサーフェス技術を血流情報に適用し,血管構造をより立体的に表示でき,HDlive silhouette modeを併用することで超音波画像による臓器表面の辺縁像を残し,エコーが均質な部分を透明化することで,臓器内での血管構造をより立体的に描出することができる.今回我々は,これまでに経験した子宮疾患の3次元超音波像を提示し,その画像の特性や診断における有用性を報告する.
全胞状奇胎および水腫様流産像2);従来の2次元超音波では子宮腔内に胎児像を欠いた低エコーの液体貯留像と分葉化を示す嚢胞陰が確認されるが,HD-flowを併用することで,その嚢胞に向かう血流像が描出でき,HDliveにより子宮腔内の分葉化した大きな腫瘤表面の平滑な構造や腫瘤内の小さな不整形の嚢法状構造もより詳細に確認することができた3).また,HDlive FlowおよびHDlive silhouette modeにより,全胞状奇胎では,奇胎嚢胞周囲には多数の血管構造があるが嚢胞自体には血流が認められない特徴的な像として描出することができた.水腫様変性でも嚢胞周囲の血管像が立体的に描出できた.
子宮動静脈奇形;従来の2次元によるHD-flowだけでは確認できない立体的な血管構造が描出でき,feedingおよびdraining血管を確認することで動静脈奇形の診断に有用であると考えられた4).
妊娠子宮頚部仮性動脈瘤;HDlive FlowおよびHDlive silhouette modeでは仮性動脈瘤内にモザイク(網状)状の血流像を認め,HDlive Flowを用いることで腫瘤内表層部に双方向性の血流像や流入血管像も明瞭に描出することができ,これは仮性動脈瘤に特有の血流変化の可能性が示唆された5).
子宮筋腫,子宮内膜癌および子宮頚部悪性リンパ腫;子宮筋腫では筋腫核周囲の血管構造がより立体的に確認できた.また子宮内膜癌と悪性リンパ腫それぞれの悪性疾患では従来の2Dカラードプラでは描出できなかった血管像がHDlive Flowでは明瞭に描出することができ,子宮悪性疾患における血流変化の新たな知見とも考えられた.
1.Kanenishi K et al. Donald School Joumal of Ultrasound in Obstetrics and Gynecology 2014; 8(4):410-427
2.AboEllail MAM et al. J Ultrasound Med 2015,in press
3.Cajusay S et al. J Med Ultrasonic 2014; 41: 507-509
4.Kanenishi K et al. Arch Gynecol Obstet 2012; 286: 541-544
5.Yamamoto K et al. Ultrasound Obstet Gynecol. 2015 Oct 29. doi: 10.1002/uog.15802.