Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

特別プログラム 消化器
パネルディスカッション 消化器 3 体外式超音波検査による膵スクリーニングの限界と対策

(S333)

体外式腹部超音波検査による膵癌のスクリーニング

Extracorporeal ultrasound screening for detection of pancreatic cancer

長川 達哉, 北川 翔, 宮川 宏之

Tatsuya NAGAKAWA, Syo KITAGAWA, Hiroyuki MIYAKAWA

JA北海道厚生連札幌厚生病院第2消化器内科

Second Department of Gastroenterology, JA Hokkido Kohseiren Sapporo Kohsei Hospital

キーワード :

【目的】
施設検診の一環として施行した腹部超音波スクリーニングにて発見された膵癌の特徴を検討すると共に,当科にて精査を行った膵癌症例を対象として直接所見・間接所見の描出率から腹部超音波スクリーニングの有用性をretrospectiveに検討した.
【対象】
1985年4月より2014年3月までの間に北海道厚生連施設検診を受診したのべ480000名(検診群)と同時期に体外式超音波検査(以下US)あるいは造影CT(以下CE-CT)による腹部スクリーニング検査を受け,当科入院後に膵腫瘍の精査としてUS,CE-CTを共に施行した膵癌142例(病院受診群)を対象とした.
【検討項目】
1)検診群にて発見された膵癌14例の平均年齢,性別,超音波所見,腫瘍径,腫瘍切除率,5年生存率,ならびに同じ母集団から発見された他の膵腫瘤性病変,2)病院受診群に施行された超音波スクリーニング(事前に他の画像診断の情報なく,最初に行われた超音波検査)87例における直接所見(腫瘤像),間接所見(膵管拡張,胆管拡張)の描出率
【結果】
1)平均年齢62.2歳,男女比10:4,発見時の超音波所見は腫瘤像12例,膵管拡張2例,胆管拡張2例,腫瘍径はTS2 7例,TS3 3例,不明4例,腫瘍切除率53.8%,5年生存率41.1%であった.同時期に膵管内乳頭粘液性腫瘍20例,膵神経内分泌腫瘍2例が発見された.2)腫瘤像の描出率は45%(無症状例においても38%),膵管拡張は23%,胆管拡張は9%の症例で指摘されていた.無症状例では直接・間接所見を合わせると67%の症例にて異常所見が指摘されていた.
【まとめ】
検診群にて発見された膵癌は腫瘍切除率,5年生存率共に病院受診群に比べ高率で,長期予後も良好な傾向であった.また同じ検診母集団から低悪性度の膵腫瘍性病変もスクリーニングされていた.病院受診群の検討においても超音波スクリーニングは膵腫瘤像の描出に優れ,間接所見を加えると無症状例においても67%の症例で膵癌に関連した異常所見が指摘されており,この間接所見の上乗せ効果は膵頭部癌や径の小さな早期の癌において顕著であった.