Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

特別プログラム 消化器
シンポジウム 消化器 3 胆膵疾患の造影エコー診断up-to-date

(S316)

胆嚢疾患に対する造影超音波検査の有用性

Usefulness of contrast-enhanced ultrasonography for gallbladder lesions

三好 広尚, 乾 和郎, 片野 義明, 山本 智支

Hironao MIYOSHI, Kazuo INUI, Yoshiaki KATANO, Satoshi YAMAMOTO

藤田保健衛生大学坂文種報德會病院消化器内科

Department of Gastroenterology, Second Teaching Hospital, Fujita Health University School of Medicine

キーワード :

【目的】
腹部超音波検査(US)で胆嚢病変が疑われた場合,精密検査として超音波内視鏡検査,造影CTなど少なからず侵襲を伴う検査が行われているが,その多くは良性疾患である.今回,我々は胆嚢病変に対する造影超音波検査(造影US)の治療選択における有用性を検討した.
【対象】
胆嚢腫瘍が疑われ精査を依頼された胆嚢病変70例(隆起性53例,肥厚性17例)で,年齢は24〜77(中央値:57歳),性別は男性36例,女性34例であった.病変の大きさは,隆起性病変は5−23mm(中央値10.9mm),壁肥厚性病変は3.2−16mm(中央値7mm)であった.
【方法】
超音波造影剤はペルフルブタン(商品名:Sonazoid®)を使用した.超音波診断装置および設定は,東芝社製SSA-790A(Aplio),Mechanical Index 0.1〜0.3,Frame rate 10〜15fps. TUS-A500(Aplio500), Mechanical Index 0.15,Frame rate 10〜15fpsを使用した.超音波造影剤投与直後から観察した.なお,当大学のIRBの承認を得てInformed Concentによる患者同意を得たのちに実施した.造影US所見による悪性所見は①染影が強い,②造影剤粒子が不規則に走行する,③樹枝状パターン,④壁構造不整のいずれかを認めるものとした.良性所見は①染影が弱い,②小嚢胞様構造,③線状パターン,④壁構造整のいずれかを認めるものとした.造影US診断と最終診断を比較し,造影USによる治療選択における有用性について検討した.すなわち,隆起性,壁肥厚性病変の造影US所見と最終診断をそれぞれ比較した.胆嚢隆起性病変の最終診断は外科切除による病理組織所見,または6か月以上(中央値40か月)の経過観察によるUS所見とした.
【結果】
隆起性病変53例において,良性所見37例(70%),悪性所見16例(30%)に認めた.壁肥厚性病変17例においては良性所見16例(94%),悪性所見1例(6%)に認めた.隆起性病変53例のうち悪性所見は16例に認められ,15例に外科切除を行った.病理組織学的診断は,胆嚢癌3例,腺腫3例,良性ポリープ9例,胆嚢腺筋腫症(ADM)1例であった.良性ポリープは過形成性ポリープ6例,コレステロールポリープ2例であった.外科切除を行わなかった1例は経過観察の結果,良性と診断された.良性所見は37例に認められ,良性ポリープ17例(45.9%),ADM20例(54.1%)と診断した.壁肥厚性病変17例のうち悪性所見は1例のみに認められ外科切除を行ったところADMであった.良性所見は16例に認められ,ADM(94%)と診断した.2例は胆石を合併し,症状を有していたため外科切除を行ったところADMであった.以上より,造影USで良性疾患と診断し,外科切除が回避されたのは53/70例(75.7%)であった.造影USの診断能は,胆嚢腫瘍6例は全例悪性所見を認められたことから,感度100%(6/6),特異度82.8%(53/64),正診率84.3%(59/70)であった.
【結論】
造影USは胆嚢腫瘍の除外診断に優れている.悪性所見が認められた場合には,さらに精密検査を追加し,総合的に診断することで,多くの2次検査が省略できる可能性がある.