Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

一度このページでloginされますと,Springerサイト
にて英文誌のFull textを閲覧することができます.

cover

2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

特別プログラム 消化器
シンポジウム 消化器 3 胆膵疾患の造影エコー診断up-to-date

(S315)

胆嚢隆起性病変に対する定量的評価を加えた造影腹部超音波検査の有用性の検討

The usefulness of qualitative assessment by contrast-enhanced harmonic ultrasonography for diagnosing gallbladder diseases

山本 崇文1, 松原 浩1, 山本 健太1, 浦野 文博1, 内藤 岳人1, 片岡 邦夫1, 木浦 伸行2

Takafumi YAMAMOTO1, Hiroshi MATSUBARA1, Kenta YAMAMOTO1, Fumihiro URANO1, Takehito NAITOH1, Kunio KATAOKA1, Nobuyuki KIURA2

1豊橋市民病院消化器内科, 2豊橋市民病院放射線技術室

1Department of Gastroenterology, Toyohashi Municipal Hospital, 2Department of Radiology, Toyohashi Municipal Hospital

キーワード :

【目的】
造影腹部超音波検査(CE-US)においてTime- intensity curve(TIC)を作成し,胆嚢病変のエコー輝度変化の定量的解析を行うこと.さらに,胆嚢病変に対するCE-USにおけるTIC診断の有用性について検討すること.
【対象】
2012年7月から2015年4月までに,体外式腹部超音波検査(US)あるいはCT検査で胆嚢病変を指摘され,当院においてCE-USを施行しTICによる定量的解析が可能であった68例のうち,病理組織学的根拠が得られている19例.内訳は,胆嚢癌(GBCA)2例,胆嚢コレステロールポリープ(GBCP)6例,胆嚢腺筋症(ADM)4例,黄色性肉芽腫性胆嚢炎(XGC)1例,慢性胆嚢炎(CC)6例であった.
【方法】
超音波音波観測装置はGE healthcare製LOGIQ E9で,造影モードはAM(Amplitude moduration)法,MI(mechanical index)値は0.35-0.39の設定で行った.USでB-modeイメージング観察を行い病変描出後に造影剤を投与した.使用造影剤はSonazoid®で,perfluorobutanとして16μL(1バイアル)を注射用水2mlで懸濁し,懸濁液として0.015ml/kgをbolus injectionした.造影剤注入後,造影態度の評価を行った.検査終了後に超音波観測装置のハードディスクに保存した,造影開始後から連続40秒間と,1分後,3分後,5分後の10秒間ずつのデジタルデータを再生した.病変のほぼ中央にROI(region of interest)を決定し,超音波観測装置に内蔵されているソフトウェアを用いてTICを作成して解析を行った.なお,本検討はすべて当院倫理審査委員会の承認を得て行われている.検討項目は,1)USで単発,広基性,10mm以上のものを悪性,それ以外のものを良性とした場合の良悪性疾患診断.2)GBCAとGBCA以外の間で,TICによって定量化されたエコー輝度の上昇速度,上昇率,造影開始1,3,5分後の減少率を比較した.さらにTIC結果によりROC曲線(Receiver Operatorating Characteristic Curve)を作成し,TIC診断を行うこと.3)検討項目1)と2)と造影CT検査で,胆嚢良悪性疾患診断能を比較検討すること.
【結果】
男女12:7,平均年齢63.5±13.7歳で,US所見における病変径の中央値は10.7(5-20)mmであった.1)感度100%,特異度64.7%,正診率68.4%であった.2)エコー輝度の上昇速度,上昇率,3分後の減少率,5分後の減少率は両群で統計学的有意差を認めなかった.しかしエコー輝度の上昇速度,上昇率,3分後の減少率,5分後の減少率それぞれを独立変数としてROC曲線を作成するとエコー輝度上昇速度を独立変数とした場合,AUC(area under the curve)は0.813だった.3)TIC診断の良悪性診断能は,感度100%,特異度81.2%,正診率84.2%であり,それぞれUS診断,CE-CTの100%,64.7%,68.4%よりも優れていた.
【結論】
CE-USは,TIC作成により胆嚢病変の定量的解析が可能であった.CE-USを行いTIC診断を行うことで,胆嚢病変診断能の向上が得られる.