Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

特別プログラム 消化器
シンポジウム 消化器 1 肝癌の治療・診断におけるシミュレーション・ナビゲーション超音波画像

(S306)

3Dシミュレーションと術中超音波で再肝切除の適応を広げる

Repeat Hepatectomy after Major Hepatectomy Using Three-Dimensional Simulation Software and Intraoperative Ultrasonography

高本 健史, 橋本 拓哉, 井上 和人, 島田 恵, 丸山 嘉一, 菅原 寧彦, 幕内 雅敏

Takeshi TAKAMOTO, Takuya HASHIMOTO, Kazuto INOUE, Kei SHIMADA, Yoshikazu MARUYAMA, Yasuhiko SUGAWARA, Masatoshi MAKUUCHI

日本赤十字社医療センター肝胆膵外科

Division of Hepatobiliary-pancreatic Surgery, Japanese Red Cross Medical Center

キーワード :

【背景】
近年,肝細胞癌や転移性肝腫瘍に対する再肝切除の効果が立証され,その機会が増加している.しかし,肝切除術後,特にMajor Hepatectomy(Couinaud分類で3亜区域以上)後の場合は,肝再生により大きく変形し,門脈枝や肝静脈の還流域が変化するため,再肝切除は単純な部分切除以外はほとんど適応されない.今回我々は,特にMajor Hepatectomy後の再発に対して,3Dシミュレーションソフトと術中超音波を活用することで,亜区域切除や肝静脈再建を伴う複雑な再肝切除が安全に遂行可能かどうかを検討した.
【対象と方法】
2007年から2015年まで当センターにて施行された,Major Hepatectomy後の再肝切除症例125例全例を対象とし,部分切除のみのSimple群と亜区域切除や肝静脈再建を併施したElaborated群に分け,(1)患者背景(2)残肝容積と術後肝再生率(3)術後経過について検討した.また術中超音波の活用場面についても集計した.
【結果】
転移性肝腫瘍83例,肝細胞癌34例,肝内胆管癌8例.Major Hepatectomyの種類は,右肝切除52例,左肝切除52例,その他23例.MajorHepatectomyから経過した日数中央値は,182日(35-2463)であった.Simple群(n=80)vs Elaborated(n=44)で,(1)年齢:61歳vs 61歳(p=0.97),術前ICGR15値:11.7% vs 12.4%(p=0.56)(2)残肝容積比率:97% vs 91%(p<0.001),残肝標準肝容積比率:83% vs 73%,術後肝再生率:103% vs 106%(p=0.22)(3)術後合併症率:30% vs 34%(p=0.47)で,術後肝不全や手術関連死は両群ともゼロであった.また,術中超音波は,全例で使用され,剥離面に露出した主要脈管の位置把握,腫瘍の同定,新病変の検出の順で使用頻度が高かった.
【結語】
Major Hepatectomy後の再肝切除でも,3Dシミュレーションソフトで予定残肝容積を評価し,術中超音波を活用することにより,亜区域切除や肝静脈再建などの複雑な手術も安全に遂行可能であった.