Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

特別プログラム 領域横断
ワークショップ 領域横断 1 この領域の超音波検査について聞きたい:眼科,皮膚科,運動器,呼吸器,神経など

(S221)

消化管超音波の実技セミナーによる教育効果

Learning Effect of Ultrasound Seminar in Gastrointestinal Tract

山田 正明1, 長谷川 雄一2, 関根 道和1, 山城 清二3, 浅野 幸宏2, 丸山 憲一4

Masaaki YAMADA1, Yuichi HASEGAWA2, Michikazu SEKINE1, Seiji YAMASHIRO3, Yukihiro ASANO2, Kenichi MARUYAMA4

1富山大学医学部・疫学健康政策学, 2成田赤十字病院検査部生理検査課, 3富山大学附属病院総合診療部, 4東邦大学医療センター大森病院臨床生理機能検査部

1Epidemiology and Health Policy, University of Toyama, 2Clinical Laboratory, Narita Red Cross Hospital, 3General Medicine, University of Toyama Hospital, 4Clinical Functional Physiology, Toho University Omori Medical Center

キーワード :

【目的】
近年超音波機器の改良により,超音波検査が簡便に行われるようになっている.しかし消化管超音波(以下,消化管エコー)においては病変の発見や画像の理解が難しく,まだまだ普及していない.今回,我々は消化管エコー実技セミナーを開催し,その受講者に対する教育効果を調査した.
【方法】
2014年9月,富山大学において,学内外の医師13人と超音波検査技師8人の計21人に対して半日間の消化管エコー実技セミナーを行った.セミナーでは,受講者を3つのグループに分け,各グループで超音波機器と健常の被験者を用意し,3人の超音波医学会認定の指導検査士がそれぞれの受講者に対応した.上部消化管,下部消化管,虫垂の3か所の描出方法を説明後,各受講者が1か所につき7分ずつ実際に臓器を描出し,指導検査士による個別相談・指導を受けた.実技セミナーから1か月経過した時点で,追跡のアンケートを実施し教育効果を調査した.項目は消化管エコーを施行する頻度の変化,消化管病変の異常を発見できたかである.また,教育効果については属性毎にχ2乗検定を行った.
【結果】
実技セミナーの受講者は医師13人,超音波技師8人の合計21人であった.通常の,消化管を含まない腹部エコーの経験年数が4年以下の割合が57%と,やや若手の参加者が多かった.消化管エコーに対しての知識は,半数程度がある,もしくはある程度あると回答した.受講前に日常の業務内で消化管エコーをする機会があるかについては,参加者の28%のみであり,大多数は機会がなかった.(Table1)
受講後1か月経過時点での調査から,消化管エコーを施行する機会が増えたと回答した参加者は半数であった.また,実際に病変を見ることができたのは4割程度であった.(Table2)属性との教育効果との検定では,通常の腹部エコーの経験年数が4年以上の群,受講前から消化管エコーの知識がある程度ある群で教育効果は高い傾向にあり,消化管エコーの機会が増加した受講者では,有意に医師が多かった.(Table3)
【考察・結語】
実技セミナーは講演会よりも教育効果が高く,受講者の行動が変わり,消化管エコーの施行が増加すると予想したが,実際に施行が増えたのは受講者の半数程度であった.検査技師に比べて医師の教育効果が高いのは,検査を行う裁量権によるものかもしれないが,医師に消化管エコーの有用性を知ってもらう事が普及のためには重要と思われた.