Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

特別プログラム 領域横断
パネルディスカッション 領域横断 4(JSUM・JABTS共同企画) 超音波検査環境に関する工夫・アイデア 女性の視点から・男性の視点から(JSUM男女共同参画委員会共同企画)

(S211)

超音波検査における検査環境の問題点と取り組みについて(女性の視点から)

Subjects and efforts surrounding medical US examination from women’s viewpoint

平井 都始子

Toshiko HIRAI

奈良県立医科大学中央内視鏡・超音波部

Department of Endoscopy and Ultrasound, Nara Medical University

キーワード :

大学病院の中央検査部門としての超音波検査(心エコーを除く)に従事している女性医師の立場から,より良い超音波検査環境を目指した自施設での取り組みについて述べる.
1.検査を受ける患者さんの状況を知る
気持ちよく検査を受けていただきレベルの高い超音波検査を実施するには,まず検査を受ける患者さんの状況を知ることが最も大切である.病院に来られる方は,疼痛,腫脹など何かしら訴えを持っており,小児や高齢者など介助を必要とする人も多い.予約検査だけでなく緊急の検査,ベッドや車いすで移動,点滴や酸素吸入をしている,検査に協力してもらえないなど様々である.患者さんの治療に役立つ良い検査をするためには,検査の依頼内容,病歴や検査データなどを十分に把握しておくだけでなく,自分の目で見て検査時の患者さんの状況に合わせた対応が必要である.
2.ハード面について
自施設では,1つのフロアを全て遮光カーテンで仕切って6つの検査室としている.各検査室はベッドや車いすでの移動に問題がない広さで,電子カルテや超音波装置だけでなく検査台もキャスター付きで,状況に応じて移動できるようにしている.患者さんのプライバシーに関しては,プライバシーを守る必要はあるが決して密室にしてはいけないと考えている.検査室を遮光カーテンで仕切っているため「息を吸って〜,息を止めて〜」など隣の検査室の声は聞こえる状態であるが,気配がわかることで,重症の患者さんや検査中に何かが起こった時には近くのスタッフが直ぐ対応できるメリットがある.検査部位は十分に露出してもらう必要があるが,下肢静脈などの検査では肌を露出する部分ができるだけ最小限になるように,検査をしていない部位はタオルケットで被うなどの配慮をしている.室温は肌にゼリーをつけて検査をしても寒く感じないよう26℃程度の設定で,発熱している場合などに備えてタオルケットや毛布などを用意している.明るさは,通常はまぶしく感じないが患者さんの表情や皮膚の色調がわかる程度とし,状況に応じて検査室ごとに調光できるようにしている.検査台は,車いすの患者さんや高齢者の方にも楽に移動できるように膝の高さまで下げることができ,上体を起し座位を保てるような機能のあるものを使用し,患者さんが楽で検査しやすい体勢がとれるようにしている.枕や検査台のカバーを患者さんごとに取り換えることはできないので,患者さんごとに使い捨てのペーパーを敷いているが,できればタオルを持参してもらうように検査説明に記載し,持参された場合は検査台や枕に敷いて検査をし,検査終了後はゼリーのふき取りにも使ってもらっている.ゼリーはウォーマーで40℃程度に温め,垂れないようにやや硬めのものを使用している.ゼリーの拭き取りように温めたおしぼりを用意している.
3.ソフト面について
自施設では心エコーや体腔内走査のエコー以外の全ての領域の検査を超音波室で実施しているため,乳房エコーはその曜日を決めて女性スタッフ中心で検査をし,女性の下肢血管エコーや鼠径部の検査は原則として女性スタッフが実施するなど配慮している.また,基本的に技師や研修医が実施した後,指導医がダブルチェックしているが,患者さんが不安を感じないように検査の前に説明している.緊急検査や体位変換や息止めなど協力を得るのが困難と思われる患者さん,小児などは指導医が検査開始時から検査に立ち会い,検査の介助や検査のポイントを指示して時間短縮に努めている.