英文誌(2004-)
一般口演 頭頸部・胸部・眼科
頭頸部・胸部
(S700)
頚部超音波検査にて縦隔気腫を疑い得た1例
A case of spontaneous pneumomediastinum suspected by cervical ultrasonography
中野 恵一
Keiichi NAKANO
中野病院外科
Suegery Department, Nakano Hospital
キーワード :
前頚部痛で受診し,頚部超音波検査にて縦隔気腫を疑い得た症例を経験したので報告する.
症例は,16歳男性.昼頃から,頚部〜前胸部の痛みを自覚.増悪傾向があり,当院外来受診した.前頚部の圧痛あり.嚥下動作や首を動かすと痛みの増強を認めた.握雪感はなし.頚部US施行したところ,総頚動脈後面〜側面,甲状腺の背側に広範囲にhyper echoic areaを認めた.朝に大きなくしゃみをしたとのエピソードもあり,特発性縦隔気腫を疑った.頚部CTを施行したところ,上縦隔から鎖骨上部にかけて,air density areaを認め縦隔気腫の確定診断となった.特発性食道穿孔の可能性も否定できないため,絶飲食で1日経過観察したが,疼痛の悪化や熱発を認めず.US,CTでも縦隔気腫の悪化なきことを確認し,退院となった.その後1ヶ月後にCT再検したところ,縦隔気腫の消失を確認できた.
頚部で気管以外にairの迷入を思わせる所見を認めた場合には,縦隔気腫を疑う必要があると思われる.