Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2015 - Vol.42

Vol.42 No.Supplement

一般口演 血管
腹部血管・動脈 

(S687)

EVAR後のエンドリークにおける超音波とCTのImaging Fusionの有用性

Fusion Imaging of Contrast-enhanced Ultrasonography with CT for the Evaluation of Endoleak After Endovascular Abdominal Aortic Aneurysm Repair

山内 陽平1, 丸尾 健2, 佐々木 真由美1, 片山 昌子1, 神崎 美佐1, 島本 健3, 清水 速人1, 門田 一繁2, 小宮 達彦3, 光藤 和明2

Yohei YAMANOUCHI1, Takeshi MARUO2, Mayumi SASAKI1, Masako KATAYAMA1, Misa KANZAKI1, Takeshi SHIMAMOTO3, Hayato SHIMIZU1, Kazushige KADOTA2, Tatsuhiko KOMIYA3, Kazuaki MITSUDO2

1公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院臨床検査技術部, 2公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院循環器内科, 3公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院心臓血管外科

1Clinical Laboratory, Ohara HealthCare Foundation Kurashiki Central Hospital, 2CardioVascular Medicine, Ohara HealthCare Foundation Kurashiki Central Hospital, 3CardioVascular Surgery, Ohara HealthCare Foundation Kurashiki Central Hospital

キーワード :

【背景】
腹部大動脈瘤ステントグラフト内挿術(EVAR)は開腹術よりも低侵襲な治療法として近年増加しているが,エンドリークが4人に1人は存在するとされている.エンドリークの診断には超音波検査も有用であるが,一般的には検出感度が低いため造影CTが推奨されている.我々はエンドリークについて,ソナゾイド®を用いた造影超音波は造影CTと同等の評価が可能であることを示した.また,近年の超音波装置にはCTやMRIなどの3D画像情報を取り込み超音波画像と同期させ,プローブの動きと共にリアルタイムに連動させることが可能となっており,様々な領域の検査や治療において評価されている.しかし,このFusion Imagingの有用性をエンドリークの評価で検討した報告はない.
【目的】
EVAR後のエンドリークに関して造影超音波とCTをFusionさせてエンドリーク診断における有用性を評価した.
【方法】
2014年9月〜12月にEVAR後エンドリーク評価目的にて超音波を施行した15例(男性12例,女性3例,平均年齢78.9±5.1歳)を対象とした.全例で同時期に撮影したCTと造影超音波画像をFusionさせて検査を施行した.使用機器は東芝Aplio 500,3.5MHzコンベックスプローブを用いた.エンドリークの有無を評価しtypeⅠ〜Ⅳに分類した.
【結果】
エンドリーク(+)は5例(typeⅡ:3例,typeⅢ+Ⅳ:1例,typeⅡ+Ⅲ+Ⅳ:1例)で,エンドリーク(-)は10例であった.同期させることでCT画像の位置や角度がリアルタイムに超音波画像と連動し明瞭に描出されるため,超音波画像ではやや不明瞭な病変や形態の把握が容易に判断可能であった.エンドリークに関しては判断に迷うような微少なleakや吹き出しの向きなどは超音波で,leakの位置や全体像の把握などはCTを中心に評価を行い,リアルタイムで双方を確認できるためお互いのメリットを生かして評価が可能であった.
【結論】
エンドリークの評価において,エコーやCTをそれぞれ単独で評価するのではなく,お互いに補完して評価するFusion Imagingには大きな可能性があると考えられた.