Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.677(2017年)→0.966(2018年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2015 - Vol.42

Vol.42 No.Supplement

一般口演 消化器
腹部(その他①) 

(S561)

腹膜垂炎の虚血領域に着目し,ソナゾイド®造影超音波検査を行った腹膜垂炎の1例

A case of epipotic appendagitis evaluated by contrast enhanced ultrasonography

河合 直之1, 久保 敦司2, 西田 知紗1, 村川 佳子1, 木太 秀行1, 小川 力2, 松中 寿浩2, 玉置 敬之2, 柴峠 光成2

Naoyuki KAWAI1, Atsushi KUBO2, Chisa NISHITA1, Yoshiko MURAKAWA1, Hideyuki KITA1, Chikara OGAWA2, Toshihiro MATSUNAKA2, Hiroyuki TAMAKI2, Mitsushige SHIBATOUGE2

1高松赤十字病院超音波室, 2高松赤十字病院消化器内科

1Ultrasonograhy Room, TAKAMATSU Red Cross Hospital, 2Department of Gastroenterology, TAKAMATSU Red Cross Hospital

キーワード :

【背景・目的】
近年,超音波機器の発達により腹膜垂炎の超音波所見に関する症例報告が増加している.ほとんどの症例で圧痛点に一致した卵円状または円状の高エコー腫瘤もしくは高エコー領域として報告されており,過去3年間に当科で経験した5症例においても同様の所見が認められていた.しかしながら,腹膜垂の捻転による虚血の結果炎症が生じるという腹膜垂炎の発生機序を考慮すると,高エコー腫瘤内に壊死を含む虚血部分を示す低エコー領域が存在している可能性が高いと推測された.その観点から当科で経験した5症例を改めて検討したところ,2症例において低エコー領域が認識可能であった.しかしいずれも脂肪織の肥厚が目立ち意識をして観察しなければ気づきにくいものであった.今回我々は腹膜垂炎の虚血領域に着目し,ソナゾイド®造影超音波検査を行った腹膜垂炎の1例を経験したので報告する.
【症例】
53歳男性
【主訴】
3日前より腹痛
【現病歴】
当院受診前日に近医にて憩室炎疑いで点滴加療されたが改善が見られない為当院受診.
【既往歴】
大腸憩室炎
【超音波検査】
Bモードでの観察では大腸に憩室はみとめるものの積極的に憩室炎を示唆する腸管の浮腫や憩室周囲の炎症所見は認めず,圧痛点に一致し43×19mmの淡い高エコー腫瘤を認めた事から腹膜垂炎を疑った.
高エコー腫瘤の内部に直径10mm程度の低エコー領域を認め虚血部分を示していると思われた.
ソナゾイド®による造影モードでは,Bモードで疑われた虚血部分の低エコー領域をはるかに上回る32×11mm大の明らかに造影剤の流入を認めない虚血部分が明瞭に描出された.
【考察】
腹膜垂炎に対するソナゾイド®による造影エコーでは,その成因から想定された通り中心部に明らかに血流を認めない虚血領域が確認された.Bモードで想定された範囲よりもかなり広範囲で虚血が存在することが判明し,診断および重症度?の判定に有用である可能性が示唆された.