Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2015 - Vol.42

Vol.42 No.Supplement

一般口演 循環器
運動負荷/その他 

(S522)

初期研修医に対する心エコー図教育:福島県臨床研修病院ネットワークにおける取り組み

Medical Education in Echocardiography for Residents: Network of Hospitals for Postgraduate Clinical Training In Fukushima

高野 真澄1, 8, 瀬尾 由広2, 8, 渡部 朋幸3, 8, 菅原 重生4, 8, 伏見 悦子5, 8, 伊藤 記彦6, 8, 藤田 雅史7, 8, 大谷 晃司1

Masumi IWAI-TAKANO1, 8, Yoshihiro SEO2, 8, Tomoyuki WATANABE3, 8, Shigeyuki SUGAWARA4, 8, Etsuko FUSHIMI5, 8, Norihiko ITO6, 8, Masashi FUJITA7, 8, Koji OTANI1

1福島県立医科大学医療人育成・支援センター, 2筑波大学循環器内科, 3医療生協わたり病院循環器内科, 4日本海総合病院循環器内科, 5平鹿総合病院循環器内科, 6東北大学病院検査部, 7みやぎ県南中核病院検査部, 8日本心エコー図学会教育委員会

1Center for Medical Education and Career Development, Fukushima Medical University, 2Department of Cardiology, Tsukuba University, 3Division of Cardiology, Health Co-op Watari Hospital, 4Division of Cardiology, Nihonkai General Hospital, 5Division of Cardiology, Hiraka General Hospital, 6Clinical Laboratory, Tohoku University Hospital, 7Clinical Laboratory, South Miyagi Medical Center, 8Board of Education, Japanese Society of Echocardiography

キーワード :

【背景】
福島県では,2013.10月および2014.10月に福島県の初期研修医等を対象とし,福島県臨床研修病院ネットワーク主催,福島県地域医療人材育成事業(福島県地域医療再生基金)を財源とした心エコー図ハンズオンセミナーを開催した.この企画は日本心エコー図学会教育委員会とのコラボレーショにより,若手医師への心エコー図学の普及・啓蒙に努めるための小規模講習会を行うもので,地域医療に携わる若手医師の育成を目的としている.共催は日本心エコー図学会で,教育委員会がプログラムの企画・講師派遣を行った.
【方法】
参加者は主として初期研修医とし,2013年には事前課題なし,2014年の参加者には基本断面の描出などの事前課題を課した.セミナーは,心エコー図の基本に関する講義とハンズオンの後,心疾患と心エコー図に関する講義および救急外来を想定したハンズオンを行った.セミナー修了時アンケート調査を行い,過去2回開催における心エコー図法の啓蒙成果を検討した.
【結果】
2013年に比べ2014年では1年次研修医が増加した(66.7→76.7%)が,エコー経験が皆無の参加者は減少した(34→19%).セミナー全体は「良かった」が91%,今後同様のセミナーに「参加したい」が85%あり,今後臨床において心エコー図を積極的に施行したいという感想が多かった.
【考案】
2014年のセミナーでは,1年時研修医では事前課題を出したことで心エコーの経験値をあげられたこと,2年次研修医では前年のセミナー開催後心エコーを行う研修医が増え,全体として日常臨床で心エコー図を行うことが多くなった可能性がある.
【結語】
地域組織と学会が連携しながら,心エコー図ハンズオンセミナーを継続開催することは,若手医師への心エコー図学の普及・啓蒙に有効である.