Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2015 - Vol.42

Vol.42 No.Supplement

ワークショップポスター
消化器 肝臓の硬さ診断:その精度と使途 SWE

(S449)

C型慢性肝障害(肝硬変を除く)例におけるSWEの有用性:肝線維化スコアとの比較

Utility of SWE for assessing liver fibrosis in patients with chronic hepatitis C infection without cirrhosis: comparison of liver fibrosis indices

多田 俊史1, 熊田 卓1, 豊田 秀徳1, 金森 明1, 辻 望2, 今吉 由美2

Toshifumi TADA1, Takashi KUMADA1, Hidenori TOYODA1, Akira KANAMORI1, Nozomi TSUJI2, Yumi IMAYOSHI2

1大垣市民病院消化器内科, 2大垣市民病院形態診断室

1Gastroenterology and Hepatology, Ogaki Municipal Hospital, 2Imaging Diagnosis, Ogaki Municipal Hospital

キーワード :

【目的】
肝硬変(F4)を除くC型慢性肝障害(CHC)に対するShear Wave Elastography(SWE)の有用性の検討と肝線維化スコアとの比較を行う.
【方法】
対象は当院で肝生検が施行され,線維化ステージ(F0-F3)が判明し,かつ同時期にSWEを用いて肝硬度を評価したCHCの患者55例を対象とした.年齢は59.8±12.0歳,性別(男性/女性)は23例/32例,線維化ステージ(F0/F1/F2/F3)は3例/34例/14例/4例であった.検討項目はSWEおよび肝線維化スコア(FIB-4 index,APRIおよびForns index)のF0-1に対する検討を行った.
【結果】
(1)F0-1/F23の順に,SWEが6.7±1.6/14.3±5.6kPa(P<0.001),FIB-4 indexが1.93±1.33/4.50±2.10(P<0.001),APRIが0.65±0.57/1.95±1.15(P<0.001),Forns indexが7.79±0.80/8.71±0.56(P<0.001)とそれぞれ有意差が認められた.(2)ROC解析による診断能(AUC)は,SWEが0.94(95%CI:0.84‐0.98),FIB-4 indexが0.86(95%CI:0.73‐0.93),APRIが0.88(95%CI:0.76‐0.94),Forns indexが0.82(95%CI:0.68‐0.90)であり,SWEのAUCは0.9以上と高値であり,さらにSWEとForns indexにおいて有意差が認められた(P=0.028).(3)F0-1診断に対する多重ロジスティック回帰分析による多変量解析(投入因子:SWE,FIB-4 index,APRIおよびForns index)ではSWEが(弾性値が1上昇するごとに)オッズ比2.52(95%CI:1.49‐4.28,P<0.001)で独立した因子として選択された.
【結論】
SWEは肝硬変例を除いたCHCの線維化ステージの鑑別に有用である.