Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.677(2017年)→0.966(2018年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2015 - Vol.42

Vol.42 No.Supplement

特別プログラム 血管
パネルディスカッション 血管1 臨床医に伝える血管エコーレポート〜何を見て何を伝えるか?〜

(S378)

医師が求める血管エコーレポート

Vascular echo reports which doctors request

赤坂 和美1, 藤井 聡1, 東 信良2

Kazumi AKASAKA1, Satoshi FUJII1, Nobuyoshi AZUMA2

1旭川医科大学病院臨床検査・輸血部, 2旭川医科大学血管外科

1Medical Laboratory and Blood Center, Asahikawa Medical University Hospital, 2Department of Vasscular Surgery, Asahikawa Medical University

キーワード :

依頼目的に応じたレポート,見て欲しいが詳細は伝えていないことについても記載されたレポート,さらには読むだけで血管の形態や血行動態がイメージできるレポートを手にした時,主治医は検者と一つのチームとして医療を行っていることを実感する.検者が何を考えながら検査を行ったかが伝わるレポートを見た時,心を動かされる.そこには血液検査結果などにはないアートの世界が広がっている.ガイドラインなど普遍的なものもあるが,各施設の需要により求められるレポートは違うと思われる.また,救急外来などでは短時間で検査を施行することが優先される.一方,腎機能低下のために造影剤の使用を避けたい場合には,エコー検査に要求されることは多くなる.医師が求めるレポートも画一的なものではないが,一般的に望まれる事項を考えてみたい.緊急性のある所見を認めた時に医師に速やかに連絡することは,レポート作成に先んじて行うべきことである.依頼目的を伝えるのは医師の責務であるが,検者が真に理解するためには,検査依頼を読むだけでは不十分なこともある.そのような場合は,医師のカルテ記載を読み,他の画像診断所見を見ることが有用である.血管領域を専門としない診療科からの依頼時には,レポートが専門診療科へのコンサルトに使用されることを想定し,専門医が診察した際にはどのような依頼目的となるかを考えて検査を施行し,レポートを作成する.また,レポートには下肢動脈狭窄の病変長など,治療方針決定に必要な情報が記載されているべきである.CTやMRIの三次元画像を見慣れた医師にとって,プローブのあて方により断面の変化するエコー検査の二次元画像は理解しにくいことが多い.レポートのシェーマがその理解を助けてくれ,限られた診療時間内で医師がレポートを読む際にも,シェーマがあると病変の把握はたやすい.ただ,シェーマはエコー画像の単なるスケッチであってはならない.検者が三次元で病変を把握して初めて,医師が理解しやすい二次元のシェーマとなる.しかしながら,上記のことを実践したくとも,日常業務においては検査に十分時間を割けないのが実情である.そのため,時間をかけるべきポイントや症例を見極める目と勘を養う必要がある.医師と同じような考え方で検査をすることで,医師が知りたいであろうことを検査でき,その結果がレポートに反映される.普段からディスカッションに加わり,チーム医療を担う一員として診療に関わること,そして検査をやりっぱなしにせずにその後の治療や経過を把握して今後の検査に繋げていくことが望まれる.