英文誌(2004-)
男女共同参画委員会企画
シンポジウム 日本超音波医学会における男女共同参画社会の実現にむけて
(S181)
旭川医科大学および循環器内科での取り組み
Commitment to gender equality in Asahikawa Medical University and cardiology
赤坂 和美
Kazumi AKASAKA
旭川医科大学病院臨床検査・輸血部
Clinical Laboratory and Blood Center, Asahikawa Medical University Hospital
キーワード :
男性も女性も意欲に応じてあらゆる分野で活躍できる男女共同参画社会の実現にむけて,旭川医科大学では平成19年に二輪草センター(復職・子育て・介護支援センター)が設立された.1)復職支援研修,2)キャリア支援,3)子育て・介護支援,4)病児・病後児保育の4つを軸に活動しており,多様な勤務形態の提供,休職予定者を含めての潜在人材登録,在宅で研修ができるような復職に向けての教育プログラム,キャリア支援相談室の設置,医学科3年生を対象にしたワークライフバランスの授業などの取り組みを行っている.子供の急病時の支援としては,早退するために業務を引き継ぐ間,二輪草センター内で一時預かりをするシステムがある.平成21年に開設された病後児保育室は,平成26年7月より病児にも対象が拡大され,さらに支援体制が整った.職員の子供を対象として,大学職員や医学生ボランティアなどがサポートするキッズスクールが小学校の夏休み・冬休み期間中に開催され,多くの人が職員の子育てに関心をよせる機会となっている.女性医療人だけではなく,すべての医療従事者が安心して働くことができる職場環境づくりを目指した取り組みにより,旭川医科大学病院は平成24年2月に働きやすい病院機能評価(ホスピレート)認定を取得した.また,旭川医科大学の循環器内科においては,育児中の医師の働き方の選択肢の1つとして,心血管超音波検査担当業務がある.子供の急病時の不在を他の医師や検査技師がカバーしやすく,本人にとっても検査技術の習得は,循環器内科医としてのキャリアアップとなる.日本循環器学会でも男女共同参画活動を推進しており,北海道支部においても地方会での無料託児室の開設や,男女共同参画小委員会の設置などを行っている.北海道においては医師不足,循環器内科などの専門医の不足が大きな課題であり,距離的な問題のために都市部から地域への医師の応援も難しい.そこで,北海道の3医育大学は合同で研修医を対象とした循環器内科説明会を開催し,北海道で循環器内科医として働くことを研修医の性別に関わらず勧めている.男女共同参画や医療現場が抱える課題には地域性や専門性による差異があるが,旭川医科大学と循環器内科での取り組みをご紹介する.