Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2014 - Vol.41

Vol.41 No.Supplement

一般ポスター コメディカル
体表・その他

(S788)

上腕動脈における内膜中膜複合体厚(IMT)の検討

the IMT of the brachial artery has been associated with risk factors and coronary endothelial function in patients with coronary heart disease

大野 佑子1, 麻植 浩樹2, 三好 亨3, 河野 晋久1, 西井 伸洋1, 中村 一文1, 森田 宏3, 伊藤 浩1

Yuko ONO1, Hiroki OE2, Toru MIYOSHI3, Kunihisa KONO1, Nobuhiro NISHII1, Kazufumi NAKAMURA1, Hiroshi MORITA3, Hiroshi ITO1

1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科循環器内科学, 2岡山大学病院超音波診断センター, 3岡山大学大学院医歯薬学総合研究科先端循環器治療学講座

1Cardiovascular Medicine, Okayama University, 2Center of Ultrasonic Diagnostics, Okayama University, 3Cardiovascular Medicine, Okayama University

キーワード :

【背景】
血管内皮機能の低下は,動脈硬化を進展させ,心血管イベントリスクが増加すると言われている.糖尿病患者では血管内皮機能が低下していることが報告されている.血管内皮機能検査として,非侵襲的,かつ定量評価ができる血流依存性血管拡張検査FMD(Flow Mediated Dilatation)が現在臨床的に広く用いられている.さらにFMDの測定時に上腕動脈の内膜中膜複合体厚(brachial IMT)が自動測定可能となった.
【目的】
今回我々は,健常人と糖尿病患者に対してbrachial IMT測定とFMD検査を行い,brachial IMTと他の指標(血清マーカー)との関連について検討した.
【方法】
対象は糖尿病患者40名,健常人20名の計60名(平均年齢55±13歳).
FMD,ニトログリセリン錠の舌下投与によるNMD測定,brachial IMTと患者背景ならびに血清マーカー(HbA1c,HDL,LDL)との関連を検討した.FMD,NMD,brachial IMTの測定にはユネクスイーエフ(UNEX Co.)を用いた.
【結果】
brachial IMTはFMD(r=-0.614,p<0.001),HbA1c(r=0.427,p<0.01)と有意な相関が認められた.また,NMD(r=0.427,p=0.06)とも相関傾向にあった.しかし,HDL,LDLとは有意な相関は認めらなかった.
糖尿病患者群では,健常人群に比較してbrachial IMTは有意に高値であり,さらにFMDは有意に低値であった(p<0.01).
【結語】
Brachial IMTはFMDと相関が認められ,糖尿病患者では高値であった.今後,他の冠動脈リスクを持つ患者におけるbrachial IMTについても評価し,臨床的有用性を検討していく必要があると考えられる.