Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2014 - Vol.41

Vol.41 No.Supplement

一般ポスター コメディカル
体表・その他

(S785)

当院における甲状腺結節性病変の超音波ドプラ診断の有用性についての検討

Usefulness of Doppler ultrasound diagnosis in thyroid nodular lesions in our hospital

下田 一成1, 岸 宗佑2, 平林 沙織3, 横井 宏隆3, 岸 真理子4

Kazushige SHIMODA1, Sosuke KISHI2, Saori HIRABAYASHI3, Hirotaka YOKOI3, Mariko KISHI4

1社会医療法人財団大樹会総合病院回生病院放射線部, 2香川大学医学部附属病院腫瘍病理学, 3社会医療法人財団大樹会総合病院回生病院臨床検査部, 4社会医療法人財団大樹会総合病院回生病院内科甲状腺外来

1Radiology department, Kaisei Hospital, 2Onco-Pathology Department of Pathology and Host-Defense, Faculty of Medicine Kagawa University, 3Clinical laboratory department, Kaisei Hospital, 4The department of internal medicine, thyroid section, Kaisei Hospital

キーワード :

【背景】
体表臓器である甲状腺の結節性病変は超音波診断においてBモード,ドプラ,エラストグラフィーなどの所見を元に診断されている.中でもドプラ,エラストグラフィーは結節性病変の良悪性の鑑別に用いられ,当院でも日常検査時にBモードと共に行い,記録保存している.結節の硬さを評価できるエラストグラフィーは甲状腺結節性病変の鑑別に有用との報告があるが,カラードプラ検査は結節の良悪性の鑑別に有用かどうか明らかでない.そこで今回,カラードプラに着目し,病理結果と比較し,有用かどうか検討した.
【目的】
当院での過去24ヶ月間(2011.5〜2013.5)において,術前に甲状腺超音波検査でドプラの評価を行った甲状腺手術症例全38症例(42結節)について,ドプラ検査が結節性病変の良悪性の鑑別に有用かどうか検討した.
【方法】
超音波装置は当院で使用している日立メディコのEUB-7500を使用し,対象は当院にて術前に42症例の甲状腺結節に対して,ドプラ(カラードプラ,パワードプラ)を施行し,その血流の分布を辺縁(周囲),内部,両方,なしに分類し,血流量を多い,少ない,無し(微量)に分類し,術後切除材料の病理組織学的評価の結果ドプラ評価の結果を比較検討した.
【結果】
全症例では,良悪性でドプラの分布,血流量ともに明らかな差は認めなかった.なお悪性の乳頭癌,濾胞癌のみに着目したが良悪性の判定または組織型に特徴的な所見は見出だせなかった.よってドプラ診断だけでなく,エラストグラフィーまたはBモード所見を合わせて診断していくことが重要であると考えられた.尚,代表症例の超音波ドプラ画像を含めて提示する.