Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.898(2019年)→1.314(2020年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2014 - Vol.41

Vol.41 No.Supplement

一般ポスター 産婦人科
産科(その他)

(S753)

入院管理を要した絨毛膜下血腫の予後因子に関する検討

Prognostic factor of subchorionic hematoma which needed hospitalization

吉田 敦, 松本 加奈子, 長谷川 ゆり, 築山 尚史, 東島 愛, 増﨑 雅子, 三浦 清徳, 増﨑 英明

Atsushi YOSHIDA, Kanako MATSUMOTO, Yuri HASEGAWA, Takashi TSUKIYAMA, Ai HIGASHIJIMA, Masako MASUZAKI, Kiyonori MIURA, Hideaki MASUZAKI

長崎大学病院産婦人科

Obstetrics and Gynecology, Nagasaki university

キーワード :

【目的】
絨毛膜下血腫は通常安静のみで自然に消失するが,下腹痛や子宮収縮を伴う例では流早産や前期破水のリスクが高く,厳重な管理を要する.また,近年,内子宮口付近の羊膜腔内に観察される沈殿物であるAmniotic fluid sludge(以下sludge)と流早産との関連を示唆する報告が見られる.今回,持続する出血や下腹痛,子宮収縮のため入院管理を要した絨毛膜下血腫について,流早産と関連する因子を検討した.
【対象】
2008年1月より2013年11月までの期間に,性器出血に加えて腹痛や子宮収縮を認め,当科で入院管理した絨毛膜下血腫24例を対象とした.絨毛膜下血腫を発症した週数,妊娠初期より持続して血腫が存在したか否か,超音波検査から推定された血腫の体積,羊膜腔内sludgeの有無,組織学的な絨毛膜羊膜炎,母体の最多白血球数,CRP値について,流早産との関連を後方視的に検討した.
【結果】
24例のうち,4例が流産,1例が妊娠25週で早産した.正期産した16例(正期産群)と流早産した8例(流早産群)の間に,血腫の発症週数,血腫の体積,母体血中のCRP値,組織学的な絨毛膜羊膜炎の頻度には有意な差はみられなかった.正期産群では平均17週で血腫は消失し,分娩まで血腫が消失しなかったのは2例(12.5%)であったが,流早産した8例のうち6例(75%)では妊娠初期より持続的に血腫が存在し,流早産に至るまで消失しなかった.経腟超音波で内子宮口付近の羊膜腔内にsludgeを認めた症例は,正規産群には一例もなかったが,流早産群では8例中3例でsludgeを認めており(18週流産,20週流産,23週子宮内胎児死亡),いずれも病理組織検査で絨毛膜羊膜炎を認めた.また,流早産群では正期産群と比べて母体血中の白血球数が有意に増加していた(8,808±1,500 vs 11,325±800,p=0.05).
【結論】
出血や下腹痛の症状を有し,入院管理をする絨毛膜下血腫のうち,妊娠初期より絨毛膜下血腫が存在し,消失しないまま子宮収縮を来す場合と,内子宮口付近の羊膜腔内にsludgeが見られる場合は,流早産のハイリスクと考えられる.