佐藤 丞子¹, 吉川 雅智¹, 松崎 つや子², 吉永 綾¹, 淀川 顕司¹, 横島 友子¹, 大野 忠明¹, 本間 博¹, 清水 渉¹

Shyoko SATOU¹, Masatomo YOSHIKAWA¹, Tsuyako MATSUZAKI², Aya YOSHINAGA¹, Kenji YODOGAWA¹, Tomoko YOKOSHIMA¹, Tadaaki OHNO¹, Hiroshi HONMA¹, Wataru SHIMIZU¹

¹日本医科大学付属病院循環器内科, ²日本医科大学付属病院生理機能センター

¹Cardiology, Nippon Medical School Hospital, ²Physiological Laboratory, Nippon Medical School Hospital

キーワード :

【症例】
55歳，男性，2011年4月頃より動悸の症状あり，前医にて2013年2月に発作性心房細動を指摘され当院に紹介となった．カテーテルアブレーション予定となり術前血栓チェックのため2013年11月に経食道心エコー図法施行したところ左心耳の欠損を認め，同時に心臓MRI上でも左心耳の欠損が確認された．他の先天性心疾患やシャントの合併を認めなかった．開心術に伴う左心耳縫縮術や経皮的左心耳結紮術の既往なく，既往歴と2つのモダリティより先天性左心耳欠損と診断したが，経胸壁心エコー図法のみでは左心耳欠損を診断することは困難であった．近年，心房細動に対するカテーテルアブレーション症例の増加に伴い経食道心エコー図法施行する症例が増えており，本症例のように無症候性の先天性左心耳欠損に遭遇し診断する機会が増加すると予想されるが，現在，報告例が少なく文献的考察を含め報告する．