Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2014 - Vol.41

Vol.41 No.Supplement

一般口演 腎泌尿器
腎泌尿器2

(S690)

腎機能障害患者における腎腫瘍診断に対するソナゾイド造影超音波検査の有用性について

Usefulness of CEUS for diagnosing renal tumor of CKD patients

大熊 潔, 陣崎 雅弘, 秋田 大宇

Kiyoshi OHKUMA, Masahiro JINZAKI, Hirotaka AKITA

慶應義塾大学医学部放射線診断科

Department of Diagnostic Radiology, Keio University, School of Medicine

キーワード :

【目的】
腎機能障害患者における腎腫瘍診断に対するソナゾイド造影超音波検査の有用性について評価する
【対象と方法】
対象は腎腫瘍が疑われ,造影CT,造影MRが施行しにくい腎機能障害患者13例で内訳は透析施行中9例(ACDKは6例),透析未施行4例である.当施設の倫理委員会承認のもと,被験者からのInformed Consentを得て行なった.
使用機種はGE LOGIQ E9およびLOGIQ S8.Bモード検査施行後,ソナゾイド0.5mlを静注し,病変のvascularityの有無を解析した.病理診断もしくは経過観察所見をgold standardとして,CT,MRと比較した造影エコーの有用性を検討した.
【結果と考察】
透析例9例中4例で造影エコーにて明瞭な造影効果が得られ腎癌と診断され,3例は手術の結果腎癌であり,1例は経過観察中である.1例は軽度の造影効果を認め,手術の結果乳頭状腎癌であった.4例は,造影がみられずcomplicated cystと判断し経過観察中である.非透析例4例中3例で造影エコーにて明瞭な造影効果を認め,他の1例では軽度の造影効果を認めた.いずれの腫瘍も腎癌と診断され,1例は手術の結果腎癌であった.他の3例は,悪性腫瘍の併存や高齢などの理由で経過観察中である.単純CTでは腎癌の診断は困難で,造影剤の使用が必須である.MRにおいても造影効果の判定に造影剤の使用が必須である.透析未施行例ではいずれも造影CT,造影MRは施行されておらず,腫瘍の血流評価は造影エコーのみで可能であった.透析施行例では造影MRは禁忌のため施行されていない.造影CTは,造影エコーで造影効果を認めた4例中2例で施行され,造影CT施行例ではCTとエコーの造影効果はよく一致した.
【結論】
ソナゾイド造影超音波検査は造影CT,造影MRが施行しにくい腎機能障害患者において,腫瘤の血流評価を行うことができ,腎腫瘍の診断に有用と思われる.