Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2014 - Vol.41

Vol.41 No.Supplement

一般口演 頭頸部
頭頸部2・その他

(S674)

耳下腺の超音波ガイド下非吸引穿刺細胞診

Diagnostic accuracy of US-guided nonaspiration cytology in the parotid gland

小出 悠介, 藤本 保志, 平松 真理子, 丸尾 貴志, 西尾 直樹, 下野 真理子, 中島 務

Yusuke KOIDE, Yasushi FUJIMOTO, Mariko HIRAMATSU, Takashi MARUO, Naoki NISHIO, Mariko SHIMONO, Tsutomu NAKASHIMA

名古屋大学医学部耳鼻咽喉科

Otorhinolaryngology, Nagoya University School of Medicine

キーワード :

【目的】
耳下腺の細胞診において,穿刺吸引細胞診非吸引穿刺細胞診(non-aspiration cytology, NAC)について診断率を検討した.
【方法】
超音波ガイド下に非吸引穿刺細胞診を行ったのち,腫瘍摘出術により病理組織診断を得た耳下腺腫瘍186症例について,細胞診の精度を検討した.耳下腺細胞診検体を適正あるいは不適性に分類した後,適正例については良性,両悪性鑑別困難,悪性疑い,悪性の4区分に分類した.病理組織診断を照会し,細胞診の精度を求めた.穿刺に際して簡易迅速ギムザ染色を施行し,検体が不適性と思われた場合は複数回穿刺を行い検体適正率の向上に努めた.
【結果】
正診率87.1%,感度64.0%,特異度91.1%,偽陽性率8.9%,偽陰性率36.0%,陽性適中率55.2%,陰性的中率93.7%であった.8例が検体不適性,3例が良悪性鑑別困難であった.
【考察】
非吸引穿刺細胞診は,穿刺吸引細胞診と比較して血液の混入が少なくなるとされる.当科では頭頸部領域の細胞診は主に非吸引で行っている.また,検体適正率の向上のため簡易迅速ギムザ染色も行っている.耳下腺の非吸引穿刺細胞診に関する報告は少ないが,今回の検討で求めた診断精度は,これまでに報告されている穿刺吸引細胞診の精度と同等と思われた.一方,検体適正率については,95.2%と比較的高い値を得ることができた.