Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2014 - Vol.41

Vol.41 No.Supplement

一般口演 甲状腺
その他

(S659)

正常副甲状腺の超音波画像?

US Image of Normal Parathyroid?

稲澤 健志

Takeshi INAZAWA

柏市立柏病院内分泌代謝内科

Department of Endocrinology and Metabolism, Kashiwa City Hospital

キーワード :

【目的】
甲状腺超音波検査において甲状腺近傍にしばしば数mmの腺組織様の像を認める(供覧).これらが副甲状腺の超音波像であるかどうか問題提起したい.
【対象と方法】
2011年の1年間に当院の医師甲状腺エコー枠にて検査を受けた175患者のうち,副甲状腺機能亢進症が判明してから画像検査へ回った13名と医原性副甲状腺機能低下症の1名を除いた161名の超音波画像を再度精査し,供覧画像のような所見を呈した患者の数,事後に測定されたPTHの値を調べた.
【結果】
12例に所見を認めた.11例は1部位のみであり,うち8例は左下,3例は右下であった.残る1例は右上,右下,左下に相当する3部位に所見を認めた.PTH測定は6例しか行われていなかったが,3部位に所見を認めた1例でwhole-PTHが52-94 pg/mLと高値を示した.もう1例intact-PTHが54-89 pg/mLと正常〜高値を示したが,他の4例は正常値であった.高Ca血症を呈した症例はいなかった.
【考察】
正常副甲状腺は正常甲状腺とエコー性状が同じであるため通常はエコーでは同定できない.しかし甲状腺から離れて存在していたり,甲状腺実質のエコーレベルが低下していたりすれば同定できてもおかしくない.ただし今回の症例の中にはPTHが上昇している症例もあるため,過形成性の病変であるかもしれず,さらには他の症例も過形成性の病変である可能性も否定できない.