Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

一度このページでloginされますと,Springerサイト
にて英文誌のFull textを閲覧することができます.

cover

2014 - Vol.41

Vol.41 No.Supplement

一般口演 産婦人科
婦人科疾患

(S633)

内視鏡超音波を併用して腹腔鏡下筋腫核出術を行った1例

A case of submucous leiomyome treated with laparoscopic ultrasound

遠武 孝祐, 三村 貴志, 瀬尾 晃平, 島田 佳苗, 清水 華子, 宮本 真豪, 石川 哲也, 森岡 幹, 関沢 明彦

Kosuke TOTAKE, Takashi MIMURA, Kouhei SEO, Kanae SHIMADA, Hanako SHIMIZU, Shingo MIYAMOTO, Tetsuya ISHIKAWA, Miki MORIOKA, Akihiko SEKIZAWA

昭和大学病院産婦人科

The Obstetrics and Gynecology Department, Showa University School of Medicine

キーワード :

粘膜に突出した筋層内筋腫は,その突出率にもよるが子宮鏡下での核出術が一般的であり,当院においても子宮鏡下手術を選択することが多い.今回,我々はサイズが大きく,粘膜への突出率が低い筋層内筋腫に対して腹腔鏡下での治療を選択し,内視鏡超音波を用いて筋腫核出した症例について報告する.
症例は30歳代,0経妊0経産で,過多月経を主訴に当院に紹介受診となった.
筋腫は5cm大で,MRIでの突出率は30−40%程度であるが,子宮外への突出はなかった.そこで,術中内視鏡超音波で筋腫の核の位置を確認し,その直上より筋層を切開し核出する方針とした.超音波機器は,ALOKA製の術中用電子リニア探触子(腹腔鏡用フレックスタイプ)UST−5550を周波数8.0Mで使用した.術中,腹腔鏡からの観察では肉眼では筋腫の存在が不明であり,切開点を決定できない状態であった.そこで,超音波内視鏡を用いて筋腫核の位置を確認し,その直上の筋層を切開し筋腫を核出した.術中,子宮内膜穿破はせずに手術時間は1時間20分で,術中出血量100ml,筋腫は60gで,腹腔鏡下に切開した筋層を縫合し手術終了とした.術後に過多月経は軽快した.その他の合併症は認めていない.
術中に内視鏡超音波を用いることで,子宮筋層の切開部を速やかに決定でき,筋層への切開創を最小限にすることが可能であった.