利國 信行¹, 林 伸彦², 堤 幹宏², 有沢 富康¹

Nobuyuki TOSHIKUNI¹, Nobuhiko HAYASHI², Mikihiro TSUTSUMI², Tomiyasu ARISAWA¹

¹金沢医科大学消化器内科, ²金沢医科大学肝胆膵内科

¹Department of Gastroenterology, Kanazawa Medical University, ²Department of Hepatology, Kanazawa Medical Univesity

キーワード :

【目的】
我々は昨年，肝癌（HCC）に対するラジオ波凝固療法（RFA）の効果判定における，3D造影US（3D-CEUS）と仮想USによるreal-time image fusion法の有用性について報告した（Radiol Oncol. 2013;47:224-9）．一方，RFA直後のmicrobubbleの範囲は凝固範囲と強く相関するという報告もある（Liver Int. 2005;25:967-72）．そこで今回，RFA直後の画像からこの方法を用いた効果判定予測が可能かどうか検討した．
【方法】
US装置および仮想USシステムはHI VISION Preirus（日立メディコ）を使用．CEUSはSonazoid（第一三共）を用いた．RFAはCool-tip RFシステム（タイコヘルスケア）にて施行した．RFA前にB-mode USおよびCEUSを施行し，volume dataを保存した．RFA後に，real-time image fusion法（Real-time Virtual Sonography）にて，一つのモニターにRFA直後のreal-time US画像とRFA前のUS画像（HCCが最も明瞭に描出されるvolume dataを使用）を2画面表示させた．次にRFA前のHCCの輪郭にそって球マーカーを描出させた．球マーカーは2画面に同期して描出されるため，real-time US画像上にvirtualにHCCの輪郭を描出させることができる．すべての方向でmicorbubbleが球マーカーを取り囲んでいた場合，治療完了とした．後日，同様の方法を用いたCEUSによる効果判定と通常の造影CTによる効果判定を行い，microbubbleの範囲による効果判定予測の有用性を評価した．
【結果と考察】
RFA直後のB-mode USではmicrobubbleの背側方向の輪郭は評価困難であったが，5〜10分後には評価可能となった．この状態で上記基準を用いて効果判定予測を行ったところ，予測と実際の効果判定はほぼ一致した．Real-time image fusion法によってRFA直後に高い精度で効果予測が可能であれば，追加治療の必要性が判断しやすいと考えられた．ただし，microbubbleの輪郭は明瞭ではないため，marginが少ない症例では多少の誤差が生じる可能性はある．
【結語】
HCCに対するRFAの効果判定予測にreal-time image fusion法は有用であると考えられた．