Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2014 - Vol.41

Vol.41 No.Supplement

一般口演 消化器
3D1

(S565)

Virtual venographyを用いた肝切除における新たな脈管評価

New angiology evaluation at hepatic resection using virtual venography

草野 智一, 村上 雅彦, 青木 武士, 松田 和広, 古泉 友丈, 三田村 圭太郎, 藤森 聡, 渡辺 誠, 大塚 耕司, 加藤 貴史

Tomokazu KUSANO, Masahiko MURAKAMI, Takeshi AOKI, Kazuhiro MATUDA, Tomotake KOIZUMI, Keitarou MITAMURA, Sou FUJIMORI, Makoto WATANABE, Kouji OOTUKA, Takasho KATOU

昭和大学消化器・一般外科

Department of Gastroenterological and General Surgery, Showa University Hospital

キーワード :

近年の医療機器の技術革新は目覚ましく,超音波装置においても,高画質化・3D/4D画像・Elastographyなど革新的なシステムの開発が進み,日常臨床に生かされている.virtual venographyは,超音波装置により得られた画像を3D構築し,脈管内腔からの画像を表示する技術で,従来のB−modeにない客観性を持つ.同様の技術はCTにもみられ,解像度も高いが,超音波装置における特徴は,簡便さとリアルタイムでの評価が可能な点にあり,CTにない最大の利点と思われる.今回,我々は,超音波装置Aplio500(東芝メディカルシステム)に搭載されたFly Thruというソフトを利用し,実際の手術場にてvirtual venographyを施行した一例を経験したので報告する.
症例は,70歳男性.肝S7の70mm大のHCCに対し,S7亜区域切除術を施行.術前CT上,右肝静脈からのV7の枝の腫瘍近傍での途絶が疑われ,腫瘍の浸潤が疑われていた.J切開にて開腹後,肝表面に直接プローベをあてAplio500にてvirtual venographyを施行した.管腔の内部からの視点においても,腫瘍の近傍でV7の途絶がみられ,脈管切除部位の決定を,術中に行うことが可能であった.
virtual venographyは,血管内腔側からの仮想画像情報を得ることが可能な新たな方法であり,実際の手術現場に応用するにはまだ課題は残るものの,術中に局所解剖や腫瘍の位置のみならず,脈管への浸潤評価が可能となることが示唆された.