Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2014 - Vol.41

Vol.41 No.Supplement

一般口演 消化器
胆道1

(S542)

造影超音波検査にて経過観察しえた胆嚢頚部胆嚢癌の1例

a case of gall bladder cancer followed by contrast-enhanced ultrasonography

千葉 三保, 松村 有記, 北 久晃, 河合 知代, 西塔 民子, 中田 悠紀, 濱野 美奈, 前田 晃作, 内藤 雅文, 伊藤 敏文

Miho CHIBA, Yuki MATSUMURA, Hisaaki KITA, Tomoyo KAWAI, Tamiko SAITO, Yuuki NAKADA, Mina HAMANO, Kousaku MAEDA, Masahumi NAITO, Toshihumi ITO

大阪厚生年金病院内科

Internal medicine, Osaka Kouseinenkin Hospital

キーワード :

【症例】
40代,男性
【既往歴】
2007年 B型慢性肝炎 指摘
【経過】
2007年9月 B型慢性肝炎に対して前医への通院開始.2009年2月 定期超音波検査で胆嚢頚部に9mm大のポリープを指摘されていた.2010年3月,B型慢性肝炎に対する加療目的に当院紹介.2010年5月 肝細胞癌除外目的に単純MRI施行されたが,胆嚢に異常所見の指摘はなかった.2011年3月 定期腹部超音波検査で,胆嚢頸部に12×7mm大のhyper echoicな腫瘤性病変を指摘された.腫瘤性病変は表面平滑な球形であり,周囲に小さな胆石,胆砂胆泥を認めていることから,固形化したdebrisや胆石との鑑別困難であった.2012年3月 腹部超音波検査にて,腫瘤性病変のサイズ増大指摘.2012年6月 精査目的にソナゾイド®造影超音波検査施行,13×8mm大の腫瘤性病変は均一に染影されたため,胆嚢ポリープであることが確認された.以後,経過観察されていたが,2013年9月 ソナゾイド®造影超音波検査が再度施行されたところ,胆嚢頸部ポリープはφ14mmとサイズ増大,造影パターンは前回と同様,均一に染影されていたことから胆嚢癌を否定できず,外科にて胆嚢摘出する方針となった.2013年11月,腹腔鏡下胆嚢摘出術が施行され,胆嚢頸部腫瘤は肉眼的には20mm大の乳頭型であった.術中迅速診断は胆嚢癌,断端陽性であったため,開腹下へ移行,肝床部切除,肝門部リンパ節郭清が追加された.病理結果はwell diffrentiated tubular adenocarcinoma of the gall bladder,tub1,ly0,v0 であった.転移を疑う所見がないため,術後補助化学療法なしで退院となった.
【考察】
胆嚢頸部のmassであったため,ルーチンの腹部超音波検査では胆石と胆嚢ポリープの鑑別困難であったが,造影超音波検査では血流を確認することができ,胆嚢ポリープと診断可能であった.また,造影超音波検査では,胆嚢ポリープの経時的なサイズ増大を確認することが可能であった.若干の文献的考察を含めて報告する.