Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2014 - Vol.41

Vol.41 No.Supplement

一般口演 基礎
デバイス応用

(S471)

空中超音波尿流計測用の指はめ型ドプラテレメーター送信機

Finger Mount Doppler Telemeter Transmitter for Airborne Ultrasound Uroflowmetry

松本 成史, 竹内 康人, 柿崎 秀宏

Seiji MATSUMOTO, Yasuhito TAKEUCHI, Hidehiro KAKIZAKI

旭川医科大学腎泌尿器外科学講座

Department of Renal and Urologic Surgery, Asahikawa Medical University

キーワード :

【研究の背景】
著者らは最近空中超音波尿流計測用の指はめ型ドプラ装置を開発,実用化試験を継続中であるが(1),これまでは送受信電子回路も含むセンサ部と信号処理計測部との間は信号および電源が有線接続であったため,本来の主旨であるウエアラブル装置としては完成度が不十分であった.
【本研究の課題】
本研究においては指はめセンサ部を独立電源動作とし,信号処理計測部への信号伝送をワイヤレステレメーター構成とする事を試み,以下の2種類の試作を行った.
【試作1】
指はめセンサの獲得したドプラオーディオ信号をUHF433.92MHzのISM周波数帯域にてNBFM伝送するシステムは,受信側に通信計測用受信機を用い,後続のPC(Macintosh)において有線伝送システムと比べて全く遜色ない受信計測を行う事が出来た.この方式は実用実施形態でも受信側に専用のモジュール化された受信機を必要とする事が難点であるが,信頼性,実用性,また指はめセンサ部での電池消費電力の点でも納得出来る構成である.
【試作2】
指はめセンサの獲得したドプラオーディオ信号を汎用のBluetoothイヤホンマイクの構成部品を援用してスマートフォン等のPDAに伝送するシステムは,受信および信号処理の側の構成の簡素さが大きな魅力であるが,実際問題としてお仕着せのBlue-Tooth双方向伝送オーディオシステムが提供する双方向性は必要なく単方向で十分であり,またこのような汎用品を安易に採用すると指はめセンサの側での電池電力消費がかなり厳しいレベルになるので,総合的に見て大きな課題を残している.
【中間結果および考察】
開発上の現時点では上記お仕着せ送信システムによる送信信号をスマートフォンの中で受信した30秒ないし1分のドプラ音声データを一般のPCにおけると同様な自由度では処理出来ていないが,これは著者らの研究の目的とするウエアラブルデバイスによる自主健康管理には非常に近い位置にあるので研究開発を継続中である.
【図面の簡単な説明】
図(写真)は試作1の装置の最終組み立て直前の外観である.
【参考文献】
(1)同著者,本学会基礎技術研究会資料.2011(2):20-5,2011