Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2014 - Vol.41

Vol.41 No.Supplement

一般口演 基礎
デバイス応用

(S471)

電子カルテ連携を目的とした在宅自主NST用の胎児ドプラテレメーター送信機

Fetal Doppler Telemetry Transmitter for Trans-Network Electronic Patient Data Management System

竹内 康人1, 小田切 幸平2, 原 量宏3

Yasuhito TAKEUCHI1, Kouhei ODAGIRI2, Kazuhiro HARA3

1無所属該当なし, 2名瀬徳州会病院産婦人科, 3香川大学瀬戸内圏研究センター特任教授

1not applicable, non-affiliated, 2Ob & Gyn, Naze Tokusukai Hospital, 3Professor, Seto Inland Sea Regional Research Center, Kagawa University

キーワード :

【研究の背景】
妊婦の腹壁上から送信する胎児ドプラテレメーター送信機はとりあえず臨床実用の段階にあり,外来NSTなどにおいては1st choiceとして常用されていると見受けられる.しかるに現状は胎児心を観測する多素子ロングパルス・パルスドプラシステムはこの30年間ほど全く技術的進歩がなく,またその無線伝送系は医用テレメーター専用の周波数であり,また電波形式ないし伝送方式およびプロトコルは製造業者各々の独自の物で公開されず,さらに受信利用側も通常のスタンドアロン胎児監視装置に便乗利用する形以上には発展性は担保されていない.観測された胎児情報のネットワーク接続もその受信側の胎児監視システムを経由してのみ実現される.この状況は古文書(1)から本質的な進歩がなく,大きな不満が持たれる.
【研究の目的】
そこで本研究においてはこれらのいずれの切り口においても最新のコンセプトに従い構築し直しを行い,特にネットワーク経由電子カルテシステムへの連携を主眼において装置およびシステムの設計,試作を行った.
【研究の概要】
試作中の送信機は超音波周波数2MHz,音響出力4mW程の最も軽薄短小かつ古典的な半円振動子対CWドプラシステムに拡散レンズを併用,伝送準備用フィルタを経由したドプラ音声信号の伝送はBluetooth,そのリアルタイム受信と初期段階の信号処理はいわゆるスマホ(Smart Phone)という構成で,処理結果の心拍数図はスマホからネットワーク経由でしかるべきホストに随時上奏される.これにより開発,生産しなければならない専用ハードウエアは妊婦の腹に乗るドプラテレメーター送信機だけとなるので経済効果も非常に大きく,特に中後進国向けに大きな発展の可能性を持つ.
【研究の結果】
この予稿作成の時点での中間試作段階の試作装置は外径外高が突起物(ベルト係留用ボタン)を除き70mm x 35mm,電池(CR2)を含む自重70g弱,その電池で大略50時間ほど連続動作する.中間試作機の評価は受信信号の心拍数図処理にhp8041A Cardiotocographを用い,院内および在宅のローカル運用にて高品位のNST用心拍数図を得ている.
【図面の簡単な説明】
図(写真)に試作装置の外観,内部の景観,得られた胎児心拍数図の一例,を示す.
【参考文献】
(1)穂垣,竹内,胎児信号のバイオテレメトリー,医用電子と生体工学18,7.