澤田 惇

Atsushi SAWADA

宮崎大学医学部附属病院眼科

Dept. of Ophthalmology, Miyazaki University Hospital

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演者は，「視能訓練士法」が制定された昭和46年の頃，熊本大学眼科にて筒井教授の指導をうけ，その数年後に米国アイオワ大学にて眼超音波診断学を1年間研究し，約40年が経過している．講演の機会に，次の問題について私見を述べたい．
対象となるコメディカルの範囲については，これを規定するものはないようである．超音波検査士認定試験の受験資格者として看護師・准看護師・臨床検査技師・診療放射線技師があるが，視能訓練士については無い．視能訓練士は，昭和46年に制定された「視能訓練士法」に基づく国家資格を持った医療技術者であり，有資格者は平成22年には9,351名に増加している．ちなみに同時期の眼科医の数は約1万3千名であった．
現在の眼科診療における視能訓練士の役割については，視能訓練士が行い得る検査とは臨床で一般的に行われている眼科諸検査全般を指し，その項目は多岐にわたり，超音波検査も含まれている．2010年の報告では視能訓練士の60％が超音波検査に従事しているとのことである．
視能訓練士養成は専門学校から大学まで多様性に富んでいる．教育カリキュラムにより，視覚器の生理・解剖は勿論，代表的な眼科病変の病理・症状についても広範囲に学習する．特に検査法，検査機器については臨床実習も含め多くの時間をかけて学習する．超音波検査は小項目として明記され，特に角膜厚計測を含むと細かく明示されている．
なお，参考までに国家試験合格者が正会員となる日本視能訓練士協会は日本学術会議登録学術研究団体第7部に登録されていて，本協会の学術集会ならびに学術誌は日本超音波医学会認定超音波専門医制度における学術集会および学術誌に関する通達のなかで認められている．
以上のような背景を持ち，国家資格を有する視能訓練士に超音波検査の機会を与え，広い知識のみならず豊富な経験を充分に活用させることは，価値あることと思われる．