Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2014 - Vol.41

Vol.41 No.Supplement

特別企画 コメディカル
パネルディスカッション コメディカル1さまざまな立場の超音波検査士をマネージメントする

(S376)

医療現場で更に信頼・信用されるチーム超音波の為の,超音波マネージメント

The management of medicalultrasonics with sonographers

島ノ江 信芳

Nobuyoshi SHIMANOE

株式会社コ・メディカル代表

CEO, CO-MEDICAL Co., Ltd

キーワード :

【はじめに】
超音波大好き人間として非常に残念だが,医療現場に於いて超音波が信頼されていない現実が一部の施設にある.ある病院の消化器内科は,検査部の超音波検査精度に信頼できず,肝臓の検査はエコーのオーダーを出さずCTで行っている.ここでは,超音波検査の一番の弱点である検者依存度が大きく,また精度管理がされていない.
【目的】
3.11東日本大震災で,東京ディズニーのスタッフ達が,帰られなくなられた来園者に各職場で徹夜で創意工夫して様々なサービスを行った事は,大きな絶賛を呼んだ.このスタッフ達は,仕事の目標(ミッション)や何をどうするか(ビジョン)が,はっきりしており,高いモチベーションを持ち,仕事に誇りを持っている.このように,チーム医療の質と効率の更なる向上の為には,各チームのスタッフが誇りを持って,モチベーション高く質の高い仕事が出来る体制が必須である.また,本学会の存在意義の一つは,学会での討議内容が実際に医療現場で信用信頼され普及する事である.そこで,地域一番の病院を目指す経営者・検査の責任者の方を対象に,本学会や超音波検査がその実力を発揮して,院内の医師全てから信用・信頼されて,患者さんに貢献するシステム創りの一方法“超音波マネージメント”について討議したい.
【方法】
チーム医療では,各チームの仕事が標準化され,個人任せでない教育システムが必須である.即ち,私共が目指す超音波検査室では,どのようなレベルの検査を行うかがハッキリしており,その為の教育システムが完備され実際に定期的に教育がおこなわれている.また,最終確定診断と超音波レポートのチェックがなされ,結果が違った場合の原因を,個人の責任でなくチームの責任としてはっきりさせて,次の検査に繋げる.また,定期的に,医師へ超音波検査の長所・限界を伝え,質の高い検査を行い,医師とのコミュニケーションを強め,診断・治療に貢献する事を目指す.
具体的には,
Ⅰ.多くの病院で導入されているバランストスコアーカード(BSC)を,超音波運用の戦略として用いる.
Ⅱ.次の3つ
①超音波の精度管理・標準化
②超音波検査室の環境改善(本学会で,モデル検査室の展示あり)
③超音波の接遇(患者さんへだけでなく,メディカルスタッフへも)
をその戦術とする.
本セッションでは,職場形態が違う超音波検査士の方々と,超音波が更にチーム医療に貢献する方法を追求したい.