Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2014 - Vol.41

Vol.41 No.Supplement

特別企画 循環器
シンポジウム 循環器3SHDカテーテル治療における心エコーの役割

(S288)

経カテーテル的大動脈弁置換術における三次元経食道心エコー図の有用性

Three-dimensional Transesophageal Echocardiography in Transcatheter Aortic Valve Replacement

柴山 謙太郎

Kentaro SHIBAYAMA

東京ベイ浦安市川医療センターハートセンター

Heart Center, Tokyo Bay Urayasu Ichikawa Medical Center

キーワード :

経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVR)は大動脈狭窄症の高リスク患者に対しての治療として,欧米はもとより日本でも選択肢の一つになりつつある.しかしTAVRは外科的大動脈弁置換術(SAVR)と比して,術中に直視下での直接的なサイズ測定が不可能で,植え込む人工弁がSAVRの人工弁とは異なったステント弁であり,またTAVRでは弁葉および弁輪部の石灰化を摘除できない.これらが原因となって,TAVR後には術後大動脈弁逆流(Post-procedural aortic regurgitation: PAR)が多く,たとえ軽度でも予後に影響することが報告されている.一方で,このPARが弁周囲逆流と弁中央逆流により構成されていることは知られているが,これら逆流の機序は十分に検討されていない.そこで,TAVRを施行する大動脈弁狭窄症の症例に三次元経食道心エコー図(3DTEE)を用いて術前に大動脈基部を詳細に評価すれば,PARを減少させうることを過去の検討から示す.そして,われわれの術中3DTEEによる検討により,術後弁周囲逆流の程度が術前大動脈弁輪面積と術後人工弁輪面積の差に関連すること,および,術後弁中央逆流が留置したステント弁の変形に起因する可能性があることを示す.