中谷 敏

Satoshi NAKATANI

大阪大学大学院医学系研究科機能診断科学

Functional Diagnostics, Osaka University Graduate School of Medicine

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日本超音波医学会教育委員会は超音波専門医制度委員会，超音波検査士制度委員会，学術集会委員会，地方会委員会等と緊密に協力しながら超音波医学の普及および生涯教育に務めている．以下に，教育委員会の取り組みを紹介する．
教育セッション
“超音波医学に携わっているか，またはその習得を目指す医療従事者，及び技術者らに生涯教育の一環として，この分野の基本的事項から最新の知識までを研修できる機会を提供し，超音波医学の適正かつ広汎な普及を図る”ために，学術集会の際に教育セッションを開催している．例年，超音波工学の基礎，循環器・消化器・乳腺・甲状腺・泌尿器・産婦人科・血管・体表など各分野の初級，中上級レベルの講演を約20題程度準備している．このセッションへの参加は単位認定の対象である．また当日の内容はウエブ配信されており，購入の上聴講が可能である．
超音波診断講習会
教育セッションと同様に生涯教育の一環として，毎回特定の領域にターゲットを絞り，医師，理工学関係者あるいは技師を対象とし，その領域の基本的事項から最新の知識までを受講できる機会を提供するため，年間数回日本各地で超音波診断講習会を開催している．昨年は，消化器（札幌），急性疾患（横浜），心エコー（大阪），乳腺・甲状腺（東京）の4分野にわたって開催した．超音波診断講習会も教育セッションと同様に単位認定の対象であり，またウエブ配信もされている．また超音波エラストグラフィに対する関心の高さを受けて，昨年より乳房エラストグラフィ小委員会を組織し「乳房エラストグラフィ講習会」を始めた．この講習会では理論面の理解だけではなく精度の高いエラストグラフィ技術も担保するものとしている．
超音波研修カリキュラムとプログラム
専門医制度の見直しが議論されている昨今，超音波医学の系統的学習と実技研修は極めて重要である．日本超音波医学会では，超音波研修を効率的かつ普遍的に行うための材料として超音波専門医研修カリキュラムを出版している．さらにカリキュラムに則った研修プログラムも準備中である．