上田 真¹, 八幡 浩信¹, 福里 吉充¹, 佐次田 保徳², 高良 博明³, 松本 廣嗣⁴

Makoto UEDA¹, Hironobu HACHIMAN¹, Yoshimitsu FUKUZATO¹, Yasunori SASHIDA², Hiroaki TAKARA³, Hirotsugu MATSUMOTO⁴

¹沖縄県立中部病院外科, ²沖縄県立中部病院形成外科, ³沖縄県立中部病院放射線科, ⁴沖縄県立八重山病院外科

¹Surgery, Okinawa Chubu Hospital, ²Plastic Surgery, Okinawa Chubu Hospital, ³Radiology, Okinawa Chubu Hospital, ⁴Surgery, Okinawa Yaeyama Hospital

キーワード :

【はじめに】
化生癌（metaplastic carcinoma）はWHO分類にあるまれな組織型の乳癌である．本症の1例を経験したので画像を提示し報告する．
【症例】
54才女性，閉経後
【現病歴】
左C領域に腫瘤を自覚し受診．
【身体所見】
左C領域に3.5cmの腫瘤あり
【乳房超音波所見】
右C領域に長径28mmの境界明瞭不整な低エコー腫瘤あり．前方境界線は断裂あり，Haloはなかった．内部は低エコー不整で，粒状の高エコーがいくつか散在していた．後方エコーは増強していた．内部血流があった．エラストグラフィではエラストスコア2でFLRは3.97だった．2週間後乳房超音波検査で長径33mmと増大していた．
【病理】
針生検にて化生癌，癌肉腫であった．HER2スコア1，ER（-），PgR（±），Ki-67 60％　
【経過】
乳房切除術とセンチネルリンパ節生検が行われ，センチネルリンパ節転移なかった．pT2, pN0（sn）, M0 StageIIAであった．術後補助化学療法が行われた．以上，化生癌のエコー所見について文献的考察を行う．