Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2013 - Vol.40

Vol.40 No.Supplement

一般ポスター
産婦人科:症例Ⅰ

(S666)

3D HDlive modeによる嚢胞性ヒグローマの診断

The diagnosis of cystic hygroma using three-dimensional HDlive rendering image

田中 圭紀, 石橋 めぐみ, 真嶋 允人, 請田 絵美子, 森 信博, 花岡 有為子, 金西 賢治, 田中 宏和, 秦 利之

Tamaki TANAKA, Megumi ISHIBASHI, Masato MASHIMA, Emiko UKETA, Nobuhiro MORI, Uiko HANAOKA, Kenji KANENISHI, Hirokazu TANAKA, Toshiyuki HATA

香川大学医学部附属病院母子科学講座周産期学婦人科学

obstgynecology, Kagawa University

キーワード :

【緒言】
嚢胞性ヒグローマの頻度は出生1000例に対して1例と言われている.妊娠30週以前に後頭部に発症する多嚢胞性の大きなヒグローマは60%に染色体異常を,40%に非免疫性胎児水腫を合併し,予後不良であると言われている.染色体異常の大半は45XOであるとの報告もある.今回,我々は3D HDlive modeにより胎児嚢胞性ヒグローマを描出しえた三例を経験した.
【症例1】
症例は28歳,1経妊0経産.妊娠11週2日の妊婦健診でnucal translucencyが4.9mmと肥厚しており,超音波検査にて嚢胞性ヒグローマと診断した.その後ヒグローマは13週に消失,38週5日に2830gの女児をApgar score8(1’)/9(5’),臍帯動脈pH:7.422で経膣分娩した.児には特に異常所見はみられなかった.
【症例2】
症例は31歳,3経妊1経産.妊娠17週6日に皮下浮腫のため他院から紹介され,超音波検査にて嚢胞性ヒグローマと診断した.18週に羊水穿刺を行い,46,XX der(13)+(13;18)(wcp13+,wcp18+)46,XX der(13)+(13;18)(q32;q12.2) partial 13 monosomy & partial 18 trisomyとの結果を得た.その後,本人と家族が人工妊娠中絶を希望され,21週0日に260gの女児を経膣分娩した.児には耳介低位と全身浮腫,鎖肛が見られた.
【症例3】
症例は36歳,3経妊2経産.妊娠11週3日の妊婦健診時に嚢胞性ヒグローマと診断した.13週2日に子宮内胎児死亡となったため人工妊娠中絶を行い,13週4日に24gの児を経膣分娩した.
【考察】
胎児の嚢胞性ヒグローマを3D HDlive modeを用い,皮膚様の色調で描出することで胎児の頸部周囲の浮腫の状態を2次元超音波および従来の3D画像よりも自然かつリアルに構造を理解することができ,また,子宮内での胎児の状態をイメージしやすくなる.このことは嚢胞性ヒグローマを診断し,また患者および家族に説明する際にも非常に有用な情報になると考える.