Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2013 - Vol.40

Vol.40 No.Supplement

一般口演
産婦人科:異常妊娠・胎児発育不全

(S581)

子宮底部癒着胎盤の超音波画像における後方的検討

Retrospective findings of ultrasonographic image about placenta accreta which lies on fundus of uterus

久川 豊

Yutaka KYUKAWA

市立柏原病院産婦人科

Obsterics, Kashiwara city Hospital

キーワード :

癒着胎盤は近年帝王切開術の増加に伴い増えてきており,また,母親の生命を影響を及ぼす疾患であり,その診断には超音波検査,MRI検査が用いられている.しかし,癒着胎盤の診断は困難な場合もあり予期せぬ大出血を引き起こす事がある.前置胎盤,もしくは帝王切開術の既往がある場合,癒着胎盤のリスクは高まる事は周知の通りであり,この様な場合,癒着胎盤を疑って管理をおこなう.しかし,帝王切開術の既往もなく,かつ前置胎盤でない場合,癒着胎盤の頻度は0.001%〜0.004%と稀であり,通常の臨床において癒着胎盤を疑う事はあまりないだろう.経膣分娩での癒着胎盤の場合,胎盤娩出困難となった時に初めてその存在を認識し,用手剥離による出血多量,また,子宮内反などの原因となり重大な経過をたどる事が予測される.今回の症例は,帝王切開術の既往がなく,胎盤が子宮底部付着であり,妊娠中に胎盤の部分的な肥厚および複数の静脈洞を疑い,結果的に癒着胎盤であった症例を経験したので,後方的に超音波所見を検討した.