Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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cover

2013 - Vol.40

Vol.40 No.Supplement

一般口演
循環器:収縮性心膜炎・他

(S488)

大腸菌敗血症に伴う一過性心機能低下を呈した一例

Septic cardiomyopathy due to E.coli

桑木 恒, 竹内 正明, 芳谷 英俊, 春木 伸彦, 大谷 恭子, 岩瀧 麻衣, 呉 健嘉, 尾辻 豊

Hiroshi KUWAKI, Masaaki TAKEUCHI, Hidetoshi YOSHITANI, Nobuhiko HARUKI, Kyoko OTANI, Mai IWATAKI, Chien-chia WU, Yutaka OTSUJI

産業医科大学第2内科

Second Department of Internal Medicine, University of Occupational and Environmental Health

キーワード :

症例は59歳女性.左背部痛を主訴に当院紹介受診となり,左尿管に小結石を認めたため自排を期待して経過観察とされたが,受診翌日に悪寒・発熱を伴うようになり当院救急外来受診.BT: 39.3℃,HR: 117bpm,RR: 24/min,WBC: 1800μlとSIRSの状態であり,Plt: 9万/μlと凝固系の異常を認め,昇圧剤(DOPA:5γ)を使用しないと血圧が維持できない状態となった.尿管ステント留置したところ膿の流出を認めたことから敗血症性ショックと診断し緊急入院となった.血液培養にてムコイド型大腸菌を認め,PMXを用いてエンドトキシン吸着を施行した.この時点で心エコー図検査を施行したところ全周性の壁運動低下を認めたが,抗生剤を中心とした治療を行い全身状態が改善した後にフォローアップで行った心エコー図検査では壁運動は改善していた.冠動脈造影検査では有意狭窄は認めなかったことから敗血症に伴う一過性心機能低下と診断した.敗血症に伴う一過性心機能低下は以前より報告されているが,PMXを使用することで循環動態と心機能が改善したという報告は少ない.今回経時的に心エコー図検査にて心機能の改善を経時的に記録し得たので若干の文献的考察をふまえて報告する.