則定 加津子¹, 辻 隆之¹, 清水 宏紀¹, 大西 祥男¹, 脇山 英丘², 佐々木 啓子³, 雪本 千恵⁴, 田中 敏克⁴

Kazuko NORISADA¹, Takayuki TSUJI¹, Hiroki SHIMIZU¹, Yoshio ONISHI¹, Hidetaka WAKIYAMA², Hiroko SASAKI³, Chie YUKIMOTO⁴, Toshikatsu TANAKA⁴

¹加古川東市民病院内科, ²加古川東市民病院心臓血管外科, ³加古川東市民病院検査部, ⁴兵庫県立こども病院循環器内科

¹Cardiology Department, Kakogawa East Hospital, ²Cardiovascular Surgery Department, Kakogawa East Hospital, ³Test Department, Kakogawa East Hospital, ⁴Cardiology Department, Hyogo Children’s Hospital

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症例は38歳女性．嗄声を主訴に耳鼻咽喉科を受診し，左声帯麻痺を指摘された．耳鼻咽喉科にて施行された単純CTにて上行大動脈拡大を認め，上行大動脈瘤に伴う左反回神経麻痺が疑われたため，当院心臓血管外科に紹介となった．心エコー図検査では，左室は軽度拡大しており，拡大した肺動脈内に収縮期，拡張期を通じて連続性に流入する血流を認め，動脈管開存症と考えられた．造影CTでは，上行大動脈の軽度拡大および肺動脈の拡大を認め，動脈管開存症の存在が確認された．動脈管の径は5-6mmであり，左室の拡大を伴っており，形態的にAMPLATZER Duct Occluderを用いたカテーテル治療の良い適応と考えられたため，カテーテル治療を行った．左反回神経麻痺は，動脈管開存症に対する手術やカテーテル治療に伴う合併症として知られるが，動脈管開存症の一症状としての報告は少ない．今回我々は，反回神経麻痺を契機に診断に至った動脈管開存症の一例を経験したので，報告する．