Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2013 - Vol.40

Vol.40 No.Supplement

特別プログラム 血管
パネルディスカッション10 <診療に活かす> 血管エコー検査ガイドラインを検証する

(S382)

下肢静脈エコー診断基準の実際とあり方

The actual condition of venous ultrasound examination

三木 俊

Takashi MIKI

東北大学病院生理検査センター

physiological examination center, tohoku university hospital

キーワード :

現在,下肢静脈エコーは国内外にて多くの文献や学会にて有用性が報告されているが,深部静脈血栓症による重篤な肺塞栓症は多く存在している.下肢静脈エコーは大きく分けて静脈血栓症と静脈瘤の二つに分かれる.日本超音波医学会で提示されている標準的評価法は深部静脈血栓症の超音波診断法であり,本邦において最も使用されている優れた検査法である.血栓が形成されると血液のうっ滞により血栓が進展していくが,血栓は数日後には静脈壁に固定される場合と固定が不十分な血栓は遊離し,肺静脈を閉塞させる可能性がある.血栓は経時的に器質化するが,形態的変化から急性非退縮血栓,亜急性退縮血栓,慢性索状血栓,壁在性器質化血栓などに分け,形態と性状,可動性の有無を評価する必要がある.また,経過観察においても器質化した血栓は何年も残存することがあり,これらは新たな新鮮血栓の温床となり突然死する場合があるとう報告もあり慎重な経過観察が必要になる.慢性静脈疾患の臨床分類(臨床兆候・病因・解剖学的分布・病態生理)としてCEAP分類が使われるが,下肢静脈エコーを補助的に使用することによって慢性静脈疾患の大多数は正確に診断が可能とされる.今回,静脈血栓症について標準的評価法や他のガイドラインとの関連等を模索したい.