英文誌(2004-)
特別プログラム 血管
シンポジウム14 <教育に活かす> 理想とする血管エコー報告書の書き方
(S377)
腎動脈エコー報告書作成のコツ
practical tips for renal artery ultrasound report
三木 俊
Takashi MIKI
東北大学病院生理検査センター
clinical physiology center, tohoku univercity hospital
キーワード :
腎動脈エコーの有用性は論文や学会等で多く報告されているが,血管エコーの中では依頼は少ない.その中でも最も多い依頼内容は腎血管性高血圧の診断であり,多くは動脈硬化性(粥状)腎動脈狭窄症の有無を診断する検査であるが,年齢や性別を考慮する必要もある.しかし現状は腎動脈狭窄症は他のモダリティや他のエコー検査時に偶然発見される場合が多く,狭窄が疑った場合には次回精査という順序で施行されている.エコー検査は通常,依頼内容にあった報告書を作成することが重要であるが,依頼内容以外の報告も重要なポイントもある.たとえば腎動脈エコー施行時に偶然発見される大動脈瘤や腸骨動脈瘤,大動脈解離などは緊急を有する場合もあり,迅速な報告および直接連絡が必要な場合もある.腎実質観察時における腎臓腫瘍性病変の存在など的確な報告が必要である.病変や血管走行異常などは臨床側に正確に伝わらない場合も多い.正確に伝えるためにはシェーマ図が必要な場合もあり,適切に使用することをお勧めする.報告書は検査者の技量であり,綺麗な画像保存,正しい検査,適切にまとめられた報告内容は必須である.今回,症例を交えて理想とする腎動脈エコー報告書作成のコツとポイントを述べたい.