英文誌(2004-)
特別プログラム 体表臓器
シンポジウム5 <治療に活かす> 乳腺領域におけるエラストグラフィの精度と臨床応用
(S352)
Breast Elastographyの種類と臨床評価法
Classification and Interpretation of Breast Elastography
中島 一毅
Kazutaka NAKASHIMA
川崎医科大学総合外科学
Department of General Surgery, Kawasaki Medical School
キーワード :
最近の超音波診断装置の新技術において,Tissue Elasticity Imaging(Elastography,ひずみ像)は最も特筆に値するものです.特に,乳腺診療領域では,診断,術前,術中検査だけでなく,治療効果評価にも応用されており,すでに必須の超音波検査モードとなってきています.この超音波Elastographは,2001年に「Real-time Tissue Elastography(RTE)」が実臨床装置に搭載され,超音波による「エラストグラフィ」の臨床応用が始まりました.もともと視触診を重視し,硬さを診断に応用していた乳腺領域ので普及は早く,多くの乳腺科医がRTEを使用し臨床成果を報告しました.それから12年目(干支1巡),当初は日立メディコ(現在のHitachi-Aloka Medical)からのみのアプリケーションでしたが,現在はQuasi-Static Elastographyは,GE Healthcare,Siemens,Philips,Toshiba Medical,Zonare,Samsung Medisonの装置にも搭載されています.また,Acoustic Radiation Force Impulse Imaging(ARFI)やShear Wave Elastography搭載装置もSupersonic ImagingやSiemenseから発売されました.今回,これらの原理・臨床的差異を理解し,きちんと臨床診断に役立てて頂くため,まずElastographyの分類(Quasi-Static Elastography,ARFI,Shear Wave Elastography)を紹介し,その位置づけと臨床応用状況,推奨撮像法などを解説いたします.特に私のパートでは,Strain ImagingのPhilips,Hitachi-ALOKA社のQuasi-Static Elastographyについて,臨床的有用性,診断方法などについて説明させていただきます.