Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2013 - Vol.40

Vol.40 No.Supplement

特別プログラム 腎泌尿器
シンポジウム12 <診療に活かす> 末期腎不全診療に超音波を活かす

(S341)

バスキュラー・アクセス3Dと仮想内視鏡について

3D ultrasonograpy and virtual endoscopy( Fly Thru ) of the vascular accsess in the hemodialysis patints

能登 宏光

Hiromitsu NOTO

医療法人秋田泌尿器科クリニック泌尿器科

Urology, Akita Urologic Clinic

キーワード :

【目的】
血液透析患者のバスキュラー・アクセス(VA)を,通常の二次元(2D)超音波断層法に加えて,三次元(3D)法と仮想内視鏡法( Fly Thru )で観察した.
【対象】
平成23年12月から平成25年1月までの14ヶ月間に,超音波検査でVAの評価を行った,当クリニックの慢性維持透析患者50名.
【方法】
超音波装置はAplio 500(Toshiba)で,メカニカル・リニア4D探触子(PLT-1204MV)を用いた.BモードでVAを観察した後,single sweepを行うと3D画像が表示される.次に「Fly Thru」キーを押すと,volume dataを取り込み,血管内視鏡で観たような透視投影画像が表示される.
【結果】
正常なVAは勿論,透析シャント吻合部の状態,血管の分岐,分枝,狭窄,血栓,石灰化,穿刺針,ステント等が,3DでもFly Thruでも容易に描出出来た.Fly Thruとは,超音波のvolume dataから透視投影像を立体的に構築し,管腔内を自動的に移動する画像を描出する方法である.single sweepから1分以内にVA内腔の透視投影画像が表示され,VAの内腔を血管内視鏡を進めていくように移動しながら観察出来た.3Dによる自由な面からの病変描出と,Fly Thruによる内腔からの病変観察とを組み合わせることにより,目的とするVAの状態評価に極めて有用な情報を得ることが出来た.
【結論】
VAの超音波3Dと仮想内視鏡( Fly Thru )は,VAトラブルの診断において,情報量が多く,客観的で分かり易く,透析スタッフのみならず患者・家族への情報提供の手段としても有用である.